2020年2月17日
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今日の世界情勢の不透明性、不安定性が、私が冒頭にお話ししたいことの中心課題である。世界を見回してみると、あらゆることがマイナス方向に向かっているように思いがちになる。しかし、同時にプラスの面がないわけではない。マイナスをいかにプラスに変えるか。それが、今日求められていることであろう。
第二次世界大戦後の世界秩序は、米国を中心とした自由貿易主義体制あるいはブレトンウッズ体制(米国を中心とした為替の安定を図る金融体制)の下で、「世界がより自由で開かれて、人々が自由に交流し、貿易投資が自由になればなるほど、世界は繁栄していく」という考え方を基本としてきた。
ところが、近年、「果たしてその前提は正しいのか」と疑問を呈するような事態が、世界のあらゆるところで頻発している。世界の自由主義的なリベラルオーダー(自由と自由主義を基調とする国際秩序)は「退潮しているのではないか」「今後維持していくのは難しいのではないか」という懸念が出ている。
ことに冷戦終了後、世界のリベラルオーダーのために我々と共に動いていくと期待されていた中国やロシアが、そうでもない方向に動いている。このことの意味を私は重く受け止めている。
2020年2月17日