2020年2月17日
働き方改革は遊び方改革だ
森本 紀行
HCアセットマネジメント株式会社
代表取締役社長
働き方改革という言葉は、組織を主語にした雇い方改革ではなくて、働く人を主語にしたものであるから、先に人の働きがあって、その集積が組織の成果になるのでなければならない。組織があって、組織に所属する人があるのではなく、人があって、人の集合が組織を構成するとき、そこに組織の統一と統治をもたらす原理は、文化と呼ばれるべきではないのか。そして文化とは遊ぶことではないのか。
ベルクソンの純粋持続
ベルクソンは、人は薔薇を見るとき、薔薇にまつわる全ての記憶を想起する、故に誰も同じ薔薇を見ないといった。つまり、人は薔薇を見るとき、各自の過去の全てを包含した内的時間を生きているのであって、各自の内的時間の長さや密度は人生の厚みを反映して異なる以上、その体験は唯一絶対のものだというのである。ベルクソンは、それを純粋持続と呼んだ。
薔薇に見入るとき、時を忘れて見入るように、純粋持続は測定可能な時間ではない。ベルクソンは時間を純粋持続の外的空間への投射だと説明した。純粋持続の絶対的個別性は、一般的抽象空間を借りることによって測定可能になり、分節可能になる、即ち語ることが可能になるのである。そして、言葉を得ることによって人と人との交流が可能になり、そこに世界が構成されるわけである。
2020年2月17日