2019年11月15日
遅まきながら、会社法で社外取締役を義務付けへ
磯山 友幸
経済ジャーナリスト
政府は2019年10月18日に社外取締役の設置を義務付ける会社法改正案を閣議決定した。12月上旬まで開かれている第200回臨時国会で可決成立する見通しで、2020年度から適用される予定だ。会社法327条の2が改正され、株式公開をしている監査役設置会社などについて「社外取締役を置かなければならない」というシンプルな条文になった。
2014年の会社法改正時には社外取締役1人の義務付けが議論されたが、経済界の反対が強く、見送られた経緯がある。もっともその際に、327条の2としてこんな規定が盛り込まれた。
「社外取締役を置いていない場合には、取締役は(中略)定時株主総会において、社外取締役を置くことが相当でない理由を説明しなければならない」というのである。義務付けはしないが、社外取締役を置くことが相当でない理由、つまり置かない方が良い理由を株主総会で説明しろ、というのだ。世にも珍妙な規定だったが、この効果が絶大だった。
2019年11月15日