2014年10月15日
リスクファイナンス
丹羽雅彦
マーシュ ジャパン株式会社
バイスプレジデント/トレードクレジット&ポリティカルリスク
プラクティスリーダー
グローバルな事業展開における
信用リスクマネジメントの課題
日本企業の海外進出を伴うグローバル化が提唱されはじめたのは30年ほど前である。
販売拠点のみならず生産拠点の海外移転が本格化し、グローバルという言葉が頻繁に使われるようになった。それ以前も我が国で製造されたモノの輸出取引による海外売上は一定の水準に達してはいたものの、生産拠点の海外移転が本格的に進んだ90年代になって漸くグローバル化が進んでいき、連結売上高に占める海外売上高比率もその結果として上昇した。グローバル化の流れは「失われた十年」といわれた1990年代に加速し始めたが、その背景には戦後の高度経済成長に支えられた国内景気が深刻な不況により急激に落ち込み、内需依存だけでは企業の成長は望めないという多くの経営者の判断があったからといえるだろう。
2014年10月15日