2017年3月15日
ファイナンシャル・マネジメント
クラウドファンディング③
堀内 勉
多摩大学大学院 特任教授
青山学院大学大学院 客員教授
株式型クラウドファンディングの規制緩和
現在、日本で株式型クラウドファンディングを実際に運営している会社はまだ少ない。その理由としては、これまで未公開株式の個人への勧誘が日本証券業協会の自主規制ルールにより禁止されていたこと、株式型クラウドファンディングを運営する業者の参入条件が厳しかったこと、資金を調達する企業にとっての開示義務が重かったことなどによる。
しかし、日本の膨大な個人金融資産と中小企業やベンチャー企業の資金需要とを結び付けるため、2014年に投資型クラウドファンディング制度の利用促進を目的とする金商法の改正および関連諸規制の緩和が行われ、翌年施行された。
改正金商法においては、一定条件(発行総額1億円未満、1人当たりの投資額50万円以下)の下であれば、株式型クラウドファンディング運営会社の参入要件が緩和されたのと同時に、投資者保護のためのルール整備が図られた。
2017年3月15日