2016年2月15日
TREASURY FORUM
レノボ副社長
グレンディニング氏に聞く:
規制強化で複雑化する銀行取引
ブルームバーグ ブリーフ
中国レノボ ・グループ(聯想集団)の副社長・経理担当でシンガポール最高財務責任者協会会長を務めるダミアン・グレンディニング氏に、銀行と企業財務部門との関係の現状について、ブルームバーグのジェニファー・バーンスタインが聞いた。そのインタビュー(2015年11月25日)の要約を紹介する。原文はブルームバーグ ブリーフ コーポレート・トレジャリー ニュースレターに掲載されている。
──レノボ・グループはキャッシュ・マネジメントを1つの銀行のみで管理していますが、その背景についてお話いただけますか。
それを決めた当時、我が社は多くのことを非常に短い時間で処理する必要に迫られていました。さまざまな銀行と取引を行うには複数のインターフェースが必要ですが、導入は複雑な上、膨大な時間がかかることは明白でした。そこで、我が社はある銀行が提供するインターネット・バンキング・システムを採用しました。それによって、地域・国別のトレジャリー・センターや複数のシステムの情報を照合する管理システムが不要になり、さらに、財務責任者として私はグループのキャッシュの流れを完全に把握できるようになりました。単一の銀行を介するシステムが、これほど順調に機能していることには私も驚いています。私は、1つの銀行と強力で深い関係を築き、その結果としてキャッシュ・マネジメントに関わるインフラ整備コストが削減できるメリットは、1つの銀行とのみ取引することで生じるリスクを上回ると確信しています。現在は複数の銀行と何らかの取引を行っています。しかし、一部の例外をのぞき、中国本土以外のグループの銀行口座管理とキャッシュ・マネジメントは当初の1つの銀行のみを介して行っています。
2016年2月15日