2026年2月2日

米国弁護士 秋山の視点
利益相反に疎い日本の経済人
―企業と経済活動をめぐって―
秋山 武夫
ニューヨーク州弁護士
法と契約の限界――権利は自動的には実現しない
私は米国に居住して約45年になる。その間、日本から派遣される多くの駐在員から、判を押したように同種の相談を受けてきた。そうした私的な相談の中で、典型的に繰り返されてきた問題の1つが、駐在期間が終了し、契約期間満了時に明け渡した賃貸住宅の敷金が返還されないという事例である。本来、敷金は借主が通常損耗(ordinary wear and tear)を超える損害を与えた場合に、その補填として充当されるものであり、通常の使用による劣化については返還されるのが原則である。時間の経過に伴う建物の老朽化は、当然に通常損耗として扱われるべきものである。
2026年2月2日




