2025年11月4日

米国弁護士 秋山の視点
雇用契約が仇となる
──アメリカ雇用契約の逆説──
秋山 武夫
ニューヨーク州弁護士
雇用契約と任意雇用の原則
アメリカの雇用の基本原則は “Employment-at-Will”(任意雇用)である。雇用関係は当事者いずれの意思によっても、理由の有無を問わず、いつでも終了させることができるという考え方である。従業員(経営者を含む)が自ら辞めることができるのと同様、会社も自由に経営者を解雇することができる。最近、トランプ大統領が各省庁の幹部職員を一斉に解任している事例は、この原則の典型的な適用例である。そこには、アメリカ社会に深く根付く「独立自尊」、「人は他者に依存せず、自らの力で生き抜くことを是とする価値観」が反映されている。
2025年11月4日




