2025年10月15日
社債の信用格付は不要である
森本 紀行
HCアセットマネジメント株式会社
代表取締役社長
社債は、有価証券の本質として、そこに付属した情報だけで、投資対象としての価値が評価され得るものである。故に、社債の発行は規制されていて、発行体には、投資家の価値判断が可能になるように、情報の開示が義務付けられ、かつ、開示されるべき情報の範囲は、投資家の合理的な判断形成に必要にして十分なものとして、定められているわけである。
他方で、発行体は、社債の発行に際して、信用格付業者に依頼して格付を取得するのが普通である。信用格付業者は規制されていて、金融規制当局の監督下にあるものの、信用格付の内容自体は規制されていない。なぜなら、規制上は、信用格付は専門家の表明する参考意見にすぎないとされるからである。つまり、信用格付は、規制上は不要なのである。では、なぜ不要なものが存在するのか。
2025年10月15日




