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2025年9月16日 

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財務マネジメント・サーベイ

戦略的CFO
─グローバル市場の不確実性を好機に変える─

萬成 力

一般社団法人日本CFO協会主任研究委員

 米国の関税施策が企業活動に大きな影響を与えつつある中で、今後CFOには財務戦略に加え、調達・購買を含む支出構造全体を見直し、サプライチェーンを最適化する役割が求められている。このサーベイでは、各企業が今後直面していくであろう財務・経営環境における課題、優先施策や実施状況について質問、特に支出構造全体の見直しや最適化のための取り組み状況について質問している。欧米で先にCoupa社により実施された同様のサーベイの結果とも比較しながら、日本各企業での実態を分析し、検討を進めた。今回ご協力いただいた皆様に感謝したい。

今期業績への懸念とビジネスへの脅威

 「今期、各社の財務目標を達成できるかどうか」という問いに対して、47%が「懸念」あるいは「非常に懸念している」(欧米では40%)と回答、「多少懸念している」を含めると85%に達する(欧米は69%)。時点のずれはあるが、日本企業の方が、より切実に昨今の経済情勢が自社に及ぼす影響を深刻に受け止めているようだ。

 図1でビジネスへの脅威を上位3つ挙げてもらった。「物価上昇・コスト高騰」を1位に挙げたのが41%で、3位までに挙げた企業が66%を占めた。「労働力不足・技能人材不足」が2位で全体の46%。欧米では「物価上昇・コスト高騰」「サプライチェーン混乱」「地政学的リスク」が45%とほぼ同率で並んだが、「労働力不足・技能人材不足」の脅威は上位に挙がっていない。これは労働力の流動性の違いと思われる。欧米では高技能タレント人材が国境を越えて自由に移動する環境があるが、日本では若年層人口の減少にもかかわらず、海外の高技能タレント人材の受け入れが進んでいない。これは日本固有の課題で、今回の参議院選挙でも外国人労働者の受け入れ可否が論点となり、外国人労働者受け入れ制限を主張する論調も見られたが、日本企業の、ひいては日本の産業全体の国際競争力回復強化のためには、海外の高度技能人材受け入れは不可欠であり、その受け入れ体制を作ることが急務であろう。

2025年9月16日

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