2023年6月15日
事例に学ぶデジタル活用の処方箋・二章
サステナビリティデータ収集と活用のグローバルトレンド
~「ビジネスネットワーク」と「インパクト会計」~
中野 浩志
SAPジャパン株式会社
早稲田大学大学院非常勤講師
一般社団法人日本CFO協会主任研究委員
サステナビリティデータの収集と活用が多くの企業の課題になりつつある。
経済産業省が実施した「サステナビリティ関連データの収集・活用等に関する実態調査のためのアンケート調査結果(速報版)」によると、9割の企業が「開示・投資家との対話」のみならず「事業戦略」、例えば事業ポートフォリオ管理(新規事業、パートナーシップの締結など)や経営資源配分(環境効率設備、再生プラスチック、サステナブルなサプライチェーン構築のための投資など)の検討にサステナビリティデータを活用していることがうかがえる。一方で、サステナビリティデータの収集は苦労が絶えず、特に企業グループ外(サプライチェーン/バリューチェーン)におけるデータ収集に課題があることが浮き彫りになった。
本稿では、企業グループ外サプライチェーンにおけるサステナビリティデータ収集・活用のグローバルトレンド、およびデータ活用の新たな試み「インパクト会計」の最新動向と関連テクノロジーに焦点を当てて考察する。
2023年6月15日