2021年10月15日
Focus
欧米におけるビッグテック規制の行方
朱 穎
アメリカデューク大学客員研究員
パリESLSCAビジネススクール経営学教授
ここ数年、ビッグテックと呼ばれるプラットフォーム型企業のマーケット・パワーが爆発的に拡大し、COVID-19危機によってさらに強化されている。GAFAMを筆頭するアメリカビッグテックは、アメリカの大手企業500社で構成されるS&P500指数全体の3分の1以上の市場価値を持つことに至っており、空前の成功を収めている一方、そのあり方や事業展開の性質について、近年欧米では大きく問題視されるようになった。例えば、アメリカ民主党のエリザベス・ウォーレン議員は、「今日のビッグテック企業は、私たちの経済、社会、民主主義に対して、あまりにも大きな力を持っている」と猛烈に批判し、独占禁止法の適用や、新たな規制の枠組みを構築することを求めてきた。また、欧州議会では、デジタルマーケット法2020の適用をさらに発展させていく動きが活発化している。
2021年10月15日