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 会計の世界において、メディアでは不正会計やIT化による会計事務職の減少などネガティブな話題も目につくが、AIやIoTという言葉に象徴される“社会の変化”は、経営者のマネジメントスタイルに変化をもたらし、さらにはバックエンドである会計の世界も着実に変えていくのではないかと考えられる。特に2016年はAIのビジネス分野へ適用が本格的にスタートしたと言えよう。そこで当コーナーでは、企業会計や経営管理の基盤を支えている最先端のプレイヤーの方々をゲストとして迎え、IoTの時代に会計や経営管理の仕組みはどのように変わるのか、変わるべきなのか、またそこで会計に携わる人は何処を目指して行けば良いのか、将来を見据えたお話を伺っていく。

 第5回はホワイトカラーの生産性向上の切り札として注目を浴びるRPA(Robotic Process Automation)の普及に取り組む、日本RPA協会発起人・代表理事の大角暢之氏をお迎えし、人とロボットが共に働く日本型RPAについて語っていただいた。

(インタビュー・執筆:日本CFO協会主任研究委員 櫻田修一)

ホワイトカラーの生産性向上の切り札

櫻田 最近、急激にロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation:RPA)の注目度が高まっています。いわゆるビッグ4と言われる監査法人も、RPAをサービスラインに入れています。ホワイトカラー業務の生産性向上に大きく貢献すると言われるRPAについては、経理・財務の方々も大いに関心を持たれていると思います。まずは「RPAとは何か?」というところからお話しいただけますか。

大角 産業用ロボットが人間に代わって生産ラインについたように、RPAは人間に代わってオフィスワークをこなし、ホワイトカラーの生産性向上に寄与する“デジタルレイバー”です。事業環境や経済環境の変化、および少子高齢化・人口減少等の社会環境の変化を受けて、RPA市場の拡大が見込まれる中、日本における健全なRPA市場の発展、社会的な理解や価値向上に向けた国内外企業の支援、ならびにRPA市場における日本のプレゼンス向上等を目的に、2016年7月に日本RPA協会が発足しました。デジタルレイバーという概念はいまや世界共通のキーワードとなりつつあり、RPAはどの国が先行するというわけでもなく、米国や欧州でも同時多発的にRPA協会が立ち上がり、2016年はRPA元年の様相を呈しています。

 ロボットというと二足歩行の人型を想像しがちですが、我々が扱っているロボットはサーバーの中にいます。モニターに映る一つ一つのファイルが、デジタルレイバー一人一人で、人間に代わってパソコンを操作してくれる――それが、デジタルレイバーです。

櫻田 「システムとどう違うの?」という質問が出てきそうです。

大角 そもそもロボットとは何でしょうか。私はロボットを次の三つで定義しています。

 一つ目は人間が行う作業(ルーティンワーク)をそのまま代替できること、二つ目が人間と比較して圧倒的な能力を持っていること、そして三つ目がルール変更時などの環境の変化に強いことです。

 デジタルレイバーは人間と同じように環境に適応して変わることができます。一方、システムは環境が変われば仕様変更が必要となり、膨大なコストと時間を要します。そのためシステムができない場合は、人がやるしかありませんでした。従来のオフィスは人間とシステムの二層構造で、基本的にアプリケーションを操作するのは人間だけでしたから。そこにデジタルレイバーが加わって三層構造になると考えていただくとわかりやすいかもしれません。我々はこれを、BizRoboと名付けました。RPAという呼称は、ソリューションの受託産業臭さがあって、個人的にはあまり好きではありません。

櫻田 言われてみれば確かにそうですね(笑い)。

大角 かつてJapan as No.1と言われた時代がありました。戦後、日本の高度成長を支えた力の大本は、工場にあったと思っています。工場では、人間の作業を徹底的に分析して、FAという代行させる層(機械)をつくった。人間の作業を代行する層を使って製品をつくることで、リードタイムも品質も圧倒的に向上し、原価も下がり、当時の為替も相まって世界を席巻した。私はそう考えています。

 翻って間接部門はどうでしょうか。最先端の工場を擁する会社も、経理部や人事部には多くの人を抱えています。私はそのことにずっと違和感を抱いてきました。かつてアクセンチュアでBPRやシステムに携わりましたが、間接部門の生産性は全く上がりませんでした。システム投資が間接部門の生産性向上の一番の近道です。しかし、SI産業そのものが米国型ビジネスモデルで、IT投資の実に7割が保守費用に消えていきます。戦略投資に向かうのはたったの3割です。だからそうそうシステムをつくるわけにもいきません。であれば、工場でFAという層をつくったように、人とシステムの間にデジタルレイバーという層をつくる。それが本質的な解決策だと思ったのです。

櫻田 工場でFAが人の作業を代行するように、RPAがノートPCの操作を代行してくれると考えればいいのですね。

大角 その通りです。

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2016年12月15日

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