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アナリシス

監査法人の話をしよう

細野 祐二

会計評論家

 最近私は、セミナーの講師をしたり、マスコミの取材を受けたりするたびに、「日本の上場大企業の監査報酬はいくらくらいだと思いますか?」と、セミナー参加者あるいは記者の方に聞くようにしている。日経平均採用全225社の平均連結監査報酬は3,920万円なのであるが、これら延べ数百人に上るビジネスマンおよびジャーナリストの中で正解に近い答えをした人は未だかつて誰もいない。

 ほとんどの人は「見当がつかない」という回答で、あてずっぽうで答えた人でも「30百万円から50百万円くらい」という回答が最も多く、1億円というのが最高額であった。社会は監査法人の独立性を問題にするが、独立性の根幹にある監査報酬と監査法人の懐具合について、日本社会は驚くほど何も知らない。

 2011年に発覚したオリンパスの粉飾決算事件、2017年に日本社会を震撼させた東芝の粉飾決算と、巨額の粉飾決算が後を絶たず、日本の公認会計士監査は機能不全に陥っている。金融庁は、会計監査が粉飾決算の発見防止ができない原因を長期継続監査にあると考え、監査法人のローテーション制度の導入を検討している。監査法人と企業が数十年という長い継続監査の中で馴れ合いとなり、会計監査における緊張感と独立性を失っているのではないかというのである。まったくその通りであるが、そもそも監査法人は被監査企業から金をもらって営利で監査をしているのだから、監査法人はその経済基盤そのものにおいてもともと企業から独立などしていない。日本社会は、この不都合な真実から目を背けてはいけない。

2018年7月13日

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