2016年10月14日
GLOBAL MANAGEMENT グローバルマネジメント
最高生産性を実現する経営モデル
後藤 英夫
EYアドバイザリー株式会社
ストラテジック・オフィサー
海外法人で良い人材をどのように確保するのか?
海外での人材確保に悩む日本企業は多い。「現地採用の外国人社員は、ようやく仕事を覚えて戦力になる頃に他社に転職してしまう」「経営レベルの人材は、本社役員よりも高い報酬オファーを出さないと市場調達できない」といった具合だ。
どうすれば良いのか? 答えは2つの要素から構成される。1つ目の要素は、採用時に自社の哲学・価値観にフィットした人材を採用すること。会社の哲学・価値観に自分自身のそれが合致している人は辞めにくい。人材にとってその会社で仕事をすることは給与以上の価値があるからだ。仕事をすることが自己実現に直結する。2つ目の要素は、業務評価において、個人KPIよりもチームKPIの評価を優先すること。そうすれば、哲学・価値観がそもそも一致している各チームは時間の経過とともに、チーム連携のノウハウを共有しチーム生産性を向上させ続けることになる。そうなると、個々人はそのチーム環境を離脱して他社に移る選択肢を取るインセンティブを失う。チーム環境に残って皆で成功を分かち合った方が長期で得られる報酬も高く、喜びを分かち合うという組織帰属の欲求も高いレベルで満たされるからだ。
2016年10月14日