2015年11月16日
リスクマネジメント
Tone at the top と内部統制
~日本の企業風土とガバナンスと内部統制~
神林 比洋雄
プロティビティLLC 最高経営責任者 兼 社長
ガバナンスと内部統制のかなめ
今、ガバナンスの強化が日本再興戦略の一丁目一番地として、攻めのサイドが強調されている。ガバナンスは、法令違反や不正などからの企業価値の毀損を防ぐ守りのサイドが重視されてきたが、今後は攻守のバランスが重要となる。本来ガバナンスとは、組織のあり方や今後の方向性を指し示す羅針盤である。時には組織が誤った方向に進まないように毅然たる規律を提供し、時には新たな視点を提供して組織的な価値をいっそう高めていくところに意義がある。
組織目的を達成するには、価値創造を目指して果敢なリスクテイクやイノベーションが不可欠である。ステークホルダーが想定するリターンを確保するには、適切なガバナンスと内部統制が欠かせない。内部統制が機能するには、Tone at the topというトップの姿勢が最も大切である。トップの倫理観は内部統制では全社的統制環境のようかなめであり、トップの姿勢は社員の日々の行動に鏡となって顕れ、組織の未来を方向づけるのである。
2015年11月16日