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2026年2月16日 

米国弁護士 秋山の視点
政敵を追い落とすための訴訟と
対抗手段としての恩赦
―権力による訴訟の濫用と政治的司法化―

秋山 武夫

ニューヨーク州弁護士

大統領権限の巨大化

 アメリカ合衆国は三権分立を原則とする国家である。しかし、現実の制度運用においては、大統領に権限が大きく集中する構造を有している。

 連邦裁判官、すなわち最高裁判所、連邦控訴裁判所、連邦地方裁判所の判事は、すべて大統領が指名する。指名された候補者は、上院の「助言と承認」を受ける必要があるが、中立的な立場からの裁判官が選任される可能性は事実上ほとんどない。また、候補者が否決された例が全く存在しないわけではないものの、制度的歯止めとして有効に機能しているとは言い難い。連邦裁判官の任期は終身であり、任命後は制度上、その独立性が保障されている。しかし、任命自体が政治過程を通じて行われる以上、特に最高裁判所においては、大統領の任期中の指名が、長期的に司法の方向性に重大な影響を及ぼす。現実には、政治色の強い案件において、共和党大統領が任命した保守派判事と、民主党大統領が任命したリベラル派判事とで判断が真二つに割れる事例が頻繁に見られ、裁判所の独立性が疑問視される場面も少なくない。

2026年2月16日

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