2025年9月16日
指名委員会が解き放つ組織変革の力と
それを支える委員会事務局に求められる高度化スキル
現代の企業経営において、持続的な成長と企業価値の向上を実現するためには、時代の変化に即応し、時には抜本的な変革を断行する力が不可欠である。その変革の起点として、コーポレートガバナンスの中核をなす「指名委員会」が持つ組織変革力に注目が集まってきている。指名委員会は、取締役候補者の指名・解任という、経営の根幹に関わる意思決定プロセスに深く関与することで、組織の未来を大きく左右するポテンシャルを秘めている。
本稿では、指名委員会がいかにして組織変革を促進するのか、そのメカニズムと実効性を高めるための要件について多角的に考察したい。
指名委員会とは:客観性と透明性の要
指名委員会は、取締役会の諮問機関または法定の委員会として設置され、社長・CEOを含む取締役の選任や解任に関する議案内容を決定する役割を担う。近年のコーポレートガバナンス・コードの要請もあり、多くの企業、特にプライム市場上場企業ではその設置が進んでいる。その最大の特徴は、委員の過半数を社外取締役とすることで、経営陣からの独立性を担保し、指名プロセスにおける客観性、公平性、透明性を高める点にある。これにより、社内の論理やしがらみにとらわれず、企業価値の最大化という視点から最適な経営陣を構成することが期待されている。
2025年9月16日





