2024年5月15日
ワールドトレンド
グローバル&デジタル時代の
新潮流:LEIの普及は市場と
経営に何をもたらすか?
中武 浩史
Global Legal Entity Identifier Foundation 日本事務所代表
近年、国際的な金融取引の透明性とセキュリティを高めるためのデジタル認証と識別システムの重要性が高まっている。本稿では、法人識別番号として国際的に注目されているLEI(Legal Entity Identifier)に焦点を当て、その国際的な広がりと金融取引における透明性向上に与える影響や、LEIの義務化の動向を解説するとともに、デジタル化が一層進展していく将来において、LEIがグローバルなビジネス環境の中でいかにして信頼と効率の向上に寄与していくことが期待されるのか、企業側のメリットについても具体的なユースケースを通じて考察する。
国際送金の見える化への要請/LEIの付与
マネロン対策の国際基準策定・履行を担う多国間枠組みであるFATF(Financial Action Task Force)は、「FATF勧告16の改訂に関する説明文書及び勧告改訂案」(「Explanatory Memorandum and draft revisions to Recommendation 16」、以下「R16」)という市中協議文書を公表、2024年5月を期限としてコメントを募集している。
今回の改訂において、特に財務担当に影響のある部分として注目すべきは、送金について、送付人・受取人情報の内容および質の改善を求めている点である。
2024年5月15日