2015年5月18日
ROE向上のための目の付けどころ
~株主か、顧客か、従業員か~
金子 智朗
ブライトワイズコンサルティング合同会社 代表社員
公認会計士
ROEが今までになく注目を集めている。新聞紙面でROEという文字を見ない日はないくらいである。
大きなきっかけとなったのは、伊藤邦雄・一橋大学大学院商学研究科教授(現・特任教授)が座長として経済産業省から公表された「伊藤レポート」だ。同レポートの中で、「最低限8%を上回るROE を各企業はコミットすべき」ということが提言されている。
これを受けて、議決権行使助言会社大手の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は、ROEの過去5年間平均が5%を下回る企業の株主に対して、取締役選任議案に反対するよう勧告することとした。保険会社等の国内機関投資家の間にも同様の考え方が広まりつつある。
2015年5月18日