2021年3月15日
企業価値創造経営の本質[第27回]
ESGについて考える(第4回)
手島 直樹
小樽商科大学大学院 商学研究科 教授
前回は、ESG優良企業の特徴として、重大性の高いサステナビリティの課題の認識とサステナビリティ関連のコミュニケーションが特に重要な要因となっていると指摘した。そこで今回は、この2点について考えてみたい。
まず1点目は、重大性の高いサステナビリティの課題の認識であるが、これは端的に言えば、メリハリである。サステナビリティの課題は無数に存在するが、重大性の高い課題をいかに選別するかが企業価値創造には不可欠である。重大性の低い課題にどれだけ取り組んだところで、企業価値創造の視点からは意味がないのだ。実際、米国における実証研究によると図1のような結果となっている。
2021年3月15日