2020年3月16日
「アスクル・モデル」は少数株主の利益を守れるか
磯山 友幸
経済ジャーナリスト
親会社や支配株主が存在する上場会社の独立社外取締役はどう選び、何をするべきなのか。資本の論理だけで支配株主の一存によりすべてを決められるとなれば、少数株主の利益が損なわれることになりかねない。欧米では珍しい親子上場が数多く存在する日本の資本市場にとっては大きな問題になっている。
議論の呼び水になったのは、2019年8月の株主総会で3人の候補者の再任が拒否され、独立社外取締役がゼロになっていたアスクル。アスクルの支配株主であるヤフー(現・Zホールディングス)が、現職の社長だった岩田彰一郎氏の再任を拒否するとともに、日本取引所グループの前CEO(最高経営責任者)だった斉藤惇氏ら3人の社外取締役もクビにした。
2020年3月16日