2019年9月17日
上場子会社「少数株主」の権利をどう守るか
磯山 友幸
経済ジャーナリスト
東証1部上場のオフィス用品通販大手「アスクル」が2019年8月2日に開いた定時株主総会で、現職だった岩田彰一郎社長の取締役再任議案が「親会社」のヤフーによって否決され、退任に追い込まれた。上場子会社の社長が株主総会の場でクビを切られるのは極めて異例で、株主総会前後には新聞等でも連日報道がなされた。
ヤフーはアスクルの発行済み株式の45.13%を握る筆頭株主で、国際会計基準IFRS上の「連結子会社」。一方で、持ち株比率を引き上げた際に、業務・資本提携契約を結び、アスクルの独立性を維持することや、ヤフーからの取締役派遣は2人に限ることなどを取り決めていた、という。ところが、2019年1月頃から業務の方向性について両社が対立、ヤフーは、アスクル株11.63%を持つ2位株主のプラスと組んで、岩田社長を解任する強硬策に打って出た。
2019年9月17日