2019年5月15日
アナリシス
オマーン・ルートの特別背任容疑
細野 祐二
会計評論家
日産ゴーン事件におけるオマーン・ルートの特別背任容疑においては、日産子会社の「中東日産」からオマーン財閥系販売代理店のスヘイル・バウワン・オートモービルズ(SBA)に流れた1,500万ドルが、レバノンにある投資会社「グッド・フェイス・インベストメンツ」(GFI)を経由して、
①ゴーン元会長の実質保有する銀行口座に500万ドルが還流していること、並びに、
②この還流資金がゴーン元会長夫人の「ビューティー・ヨット」のクルーザーやゴーン元会長子息の「ショーグン・インベストメンツ」の投資資金に使われていること、
を理由として、日産自動車側に500万ドルの損害を認定している。SBAからゴーン元会長の実質支配下に500万ドルの資金が還流したからといって、オマーン・ルートで日産自動車に損害の発生を認定することはできない。以下、論証する。
2019年5月15日