2019年4月15日
財務マネジメント・サーベイ
クロスボーダーM&Aにおける
シナジーの発現に向けて
石崎 豪朗 氏
PwCアドバイザリー合同会社 パートナー
赤間 穏子 氏
PwCアドバイザリー合同会社 シニアマネージャー
山﨑 祐史 氏
PwCアドバイザリー合同会社 マネージャー
はじめに
日本企業にとってクロスボーダーM&Aは、今後の成長機会獲得に向けた海外展開を実現するための手段として、かつてないほどその重要性を増している。しかし、クロスボーダーM&Aの実行に難しさを感じている、もしくは実行後に想定通りの結果を実現できていないケースが多いのが現実ではないだろうか。PwCアドバイザリー合同会社では、今般日本CFO協会の協力を得て、国内の上場企業1,000社以上を対象に2018年9月~11月にかけて、「M&A実行後のシナジーの実現に向けた現状調査」(以下「本サーベイ」とする)を実施し、クロスボーダーM&Aを経験した174社から有効回答を得た。回答企業は幅広い業種にわたり、また、その半数以上は売上規模で約5,000億円以上と、大企業が中心となっている。また、クロスボーダーM&Aの経験値を蓄積し自社流の進め方を有する日本企業に対して、M&Aによる「シナジー」実現に向けた取り組みについて2018年12月~2019年2月にかけて個別インタビュー(以下「本インタビュー」とする)を行った (図1) 。
2019年4月15日