2018年8月20日
エッセンシャルズ
ファイナンス組織のトランスフォーメーション
―グローバル化に対応する組織改革―
高原 宏
日本CFO協会主任研究委員
EY税理士法人 移転価格部 シニアアドバイザー
EYトランザクション・アドバイザリー・サービス株式会社 シニアアドバイザー
元武田薬品工業 コーポレートオフィサー経理部長
はじめに
経営学者であるチェスター・バーナード(注1)は、組織の三要素として
1. 共通の目的を持っていること(組織目的)
2. お互い協力する意思を持っていること(貢献意欲)
3. 円滑なコミュニケーションが取れること(情報共有)
を要件としている。
つまり、集団であってもこの要件を満たさなければ組織には該当しない。企業は定款で定めた目的を果たすための組織であり、これを構成する各部門も業務組織規定で細分化された目的を担う経営組織である。
私は経理部に配属され、そこで育てられ、組織などはトップが決める所与のものだと思っていた。しかし、2003年から10年間も組織の責任者を務めると欧米企業のCFOと話す機会もある。すると、ファイナンス組織の違いに気がつき、組織をどうすればよいのか考え始めた。
2018年8月20日