2016年7月15日
リスクファイナンス
世界各国の都市のリスク検証と
リスクマネジメントの在り方
~ロイズ都市リスク指標レポート2015-2025の
ご紹介~
平賀 暁
マーシュブローカージャパン株式会社
代表取締役会長
主要都市の特定リスクを検証する業界初の試み
この原稿を丁度書き上げている時に、英国の国民投票の結果が“EU離脱”という結果が発表された。欧州のみならず世界経済・金融にも大いなる影響を与えかねない事態であり、日本の株価が大きく下落、為替相場も円ドルが一時100円を割り込むなど、しばらくは金融・経済市場は混乱するであろう。英国のEU離脱も、その意味では世界経済の発展を阻害するグローバルリスクである。先般ご紹介した世界経済フォーラムのグローバルリスク報告書2016年版は、主に大規模な非自発的移住(Involuntary Migration)と気候変動の緩和・適応の失敗(Failure of Climate Change Mitigation and Adaptation)が最上位のリスクとして取りざたされた。複数の大陸を挟むリスクはその被害程度が数兆から数十兆円になると試算されている。元来から、同報告書のリスクは定性的に捉えられており、それぞれのリスクが発生した際の深刻度(被害程度)と可能性(発生頻度)は指数に置き換えられている。被害程度は全て100億米ドル(約1兆円)以上のものである。
2016年7月15日