2015年10月15日
- パネリスト(ご氏名50音順)
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伊藤 薫 氏
グローバル財務責任者部会座長
内野 州馬 氏
三菱商事株式会社
代表取締役常務執行役員、コーポレート担当役員(CFO)藤田 能孝 氏
株式会社村田製作所
代表取締役副社長村田 守弘 氏
国際税務部会座長
山田 晴信 氏
M&A部会座長
- モデレータ
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藤田 純孝
一般社団法人日本CFO協会理事長
藤田(純) 現在、日本企業はコーポレートガバナンス改革で、大きく動いています。第一部で伊藤先生にお話しいただいた資本効率の改善をベースとした企業価値の向上に向けた課題、第二部で三つの部会の座長からお話しいただいたM&A、グローバル財務、国際税務等、CFOには多くの課題が突きつけられています。パネルディスカッションでは、お二人のCFOと、第二部で課題提起をいただいた三人の各部会の座長をお迎えしました。最初に、お二人のCFOのお話を伺います。これまで取り組んでこられたCFOとしての重点課題、現在のガバナンス改革の流れの中で、どのような役割、あるいは課題認識を持っておられるでしょうか。それでは村田製作所の藤田(能)さん、三菱商事の内野さん、よろしくお願いいたします。
村田製作所の課題とチャレンジ
藤田(能) 当社は2015年で創業71年を迎えました。売上は2015年3月期で1兆400億円、営業利益が2,140億円、利益率20%。海外売上が92%ですが、実はまだ国内で70%生産しています。これは業界の中でも非常に特異です。総資産が1兆2,000億円、自己資本比率78%、実質無借金で4,000億円の手元流動性があります。キャッシュについては、使途と還元をめぐって投資家と論争を継続しています。株主構成は外国人株主が44%、その他国内機関投資家が多数を占めており、個人投資家は9%です。
私は経理・財務から仕事を始めましたが、その後、コーポレートの経営企画部門を兼務するかたちで、経理、財務、企画の担当取締役となりました。役員になってからは、経理・財務だけでなく、事業も一緒に考えながら会社の経営に携わってまいりました。実務としては、中期計画、海外事業、中国展開、M&Aなど、ほとんどが企画の仕事で、経理・財務は部長に任せてやってもらっていました。現在は情報システム、知的財産まで、人事も含めて管理部門全体を担当しています。社長を補佐して経営全体を見ており、CFOという呼称は用いていませんが、実質的にはCFO的な仕事をしています。
※本稿は、2015年9月2日開催の「CFO DAY 2015」の講演内容を編集部にてまとめたものです。
2015年10月15日