2024年6月17日
事例に学ぶデジタル活用の処方箋・二章
企業戦略と人材ポートフォリオ最適化を支える
総額人件費管理
~テクノロジーを活用したデータドリブン型人員計画・
人件費統合管理の仕組み作り~
中野 浩志
SAPジャパン株式会社
早稲田大学大学院非常勤講師
一般社団法人日本CFO協会主任研究委員
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企業戦略を支える人材ポートフォリオ最適化に向けた人員計画と総額人件費を統合的に管理する仕組み作りを検討する企業が日本でも増えてきている。人員計画が損益計算書に及ぼす影響を適時把握しながら採用計画に落とし込むという一連の流れがCFOとCHRO業務領域間にある壁で遮られ、エクセルのバケツリレーで繋いでいるケースは少なくない。一方、欧米を中心とする海外企業では、テクノロジーを梃にFP&AとHRBPが連携して一連の流れを整流化・自動化を推進することで、企業戦略及び事業環境に応じた機動性のある総額人件費管理を実現している事例を数多く見る。
本稿では、雇用に対する考え方など、比較的日系企業と共通点が多い欧州のハイテク企業A社を例に、総額人件費管理取り組みの背景と狙い、実現に向けたアプローチ、取り組み成果と留意点について考察することを通して、各社の施策立案・検討のヒントにしていただきたい。
2024年6月17日