2023年3月15日
会計不正を学ぶ④
─粉飾決算 架空売上の計上─
辻 さちえ
株式会社ビズサプリ
代表取締役
公認会計士・公認不正検査士
はじめに
粉飾決算とは、財務諸表に対してその利用者を欺き実態より業績を良く見せるような虚偽の記載や表示をすることを言う。
粉飾決算は、不正の類型でいうと「報告不正」に分類され、図1のような手口に整理される。粉飾決算の多くは、経営不振の現実を隠蔽するために行われるため、経営者が関与しているケースも多く、その場合には長年粉飾が発見されず、過去には数百億、数千億といった虚偽記載額となった巨額粉飾決算の事例もあり、企業の存続自体を危うくするものである。連載4回目となる今回は、粉飾決算のうち「架空収益(売上)」について紹介する。
2023年3月15日