2022年8月18日
財務マネジメント・サーベイ
企業成長とガバナンスを支える経理部門の
DX推進と人材の実態と課題
三好 巧
デロイト トーマツ グループ
パートナー
はじめに
本調査は、将来の予測が困難なビジネス環境における、日本企業の経理・財務部門の現状と課題意識を把握することを目的とした調査であり、日本CFO協会に登録されている企業の経理・財務幹部を対象に、2022年5月17日から2022年6月15日までの期間に実施されたものである。
2021年においても「経理部門のDX推進に向けた実態と課題」というテーマで本調査と類似する調査を実施している。調査項目は2021年と今回では少しずつ異なっているが、「生産性」「人材」「ガバナンス」というキーワードは共通している。
経理・財務部門におけるデジタルトランスフォーメーション(以下、経理DX)とこれらのキーワードを関連付けて、2021年からの変化にも触れながら、経理・財務部門の現状と課題について考察する。
経理DXの最新状況について
はじめに、経理DXの取り組み状況について見ていきたい。
図1のとおり、「経理DXの実現手段を検討している(25%)」「経理DXに積極的に取り組んでいる(19%)」「経理DXプロジェクトの具体的なアクションに着手したところ(14%)」といった、実現手段の検討を含めて既に何らか経理DXの取り組みに着手しているとの回答が58%と6割近くを占めている。さらに、「経理DXの必要性を精査している(9%)」「経理DXの必要性を感じるが、検討するリソース(人・時間)がない(30%)」も合わせると、実に97%が経理DXの必要性を感じていることがわかる。
2022年8月18日