2021年6月15日
Economic View
仏シンクタンクTAC Economics分析レポートサマリー
MacroFinance Research – May 2021
Country Focus – ブラジル:パンデミックの影響で
経済の回復が遅れている
泉本 保彦
株式会社 日仏経済戦略研究所
代表取締役社長
izumimoto@i-es-fj.com
2021年のブラジルの経済成長見通しは、以下の要因から限定的である。
・COVID-19感染者が2021年Q2になっても減少していないこと。
・2020年の大規模な財政支出と上昇したインフレ率を抑制するための中央銀行による大幅な金融引き締めにより、更なる政策実施余地が縮小していること。
しかし、経済成長は、競争力のある通貨、輸出の拡大、世界的な原油価格の上昇に加え、COVID-19の感染が減少する可能性があること(2021年下半期)に支えられている。今後パンデミックは、ブラジルの構造的な弱点(低投資、劣悪なビジネス環境)を深刻化させ、政治的な脆弱性を高め、公的債務はすでに大幅に増加しているため、数年間でブラジルのリスクを高めるであろう。これらの要因は、今後数年間の力強い経済成長の見通しを妨げる。
2021年6月15日