2019年9月17日
知的資産経営におけるステークホルダーとのコミュニケーション 第1回
社会的価値と知的資産経営
WICI (World Intellectual Capital/Assets Initiative)編
監修:WICI Japan 会長 昆政彦
編著:WICI Japan Spotlight 研究部会
知的資産経営への歴史的変遷
1970年代において企業の業績評価と業績報告は、財務報告書で十分にその機能を果たしてきましたが、その後流れを大きく変える二つの要因が出てきました。一つは、企業価値を貨幣価値で把握できる比率が大幅に下がったことです。米国のS&P500の時価総額を分解したときに、1975年時点では財務報告書で説明できる価値の比率が80%を超えていましたが、2005年には20%を切っており、その比率は年々減少しています。もはや、財務報告書では企業価値を測定することができなくなっている現実があります。もう一つの動きは、企業はパブリックの一員としてより強い責務を持つことへの社会的要請が強まったことが挙げられます。
2019年9月17日