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2017年6月15日 

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エッセンシャルズ

リスクマネジメントの
トランスフォーメーション
―CFOはリスクマネジメントの変革を迫られる―

高原 宏

日本CFO協会主任研究委員
EY税理士法人 移転価格部 シニアアドバイザー
元武田薬品工業 コーポレートオフィサー経理部長

はじめに

 2003年度から有価証券報告書に事業等のリスク記載が求められたが、ちょうどこの年に経理部長に就任したので、悩ましい初仕事だった。

 私が勤務していた医薬品企業では、新薬の成功確率は約3万分の1と言われ、10年以上の開発期間を要した。さらに、薬害のリスク等事業を行う限り避けられないビジネスリスクが高く、これを中心にガイドライン(内閣府令)に沿って記載したと記憶している。

 それでは事業等のリスクとは何なのか。リスクの特性で見ると、経営上のリスクには、自然災害やオペレーショナルリスク等、発現に伴い損失だけが生ずる「純粋リスク」と、企業活動や事業環境変化に伴い損失又は利益が生ずる「投機リスク」すなわち新製品開発やM&Aのように戦略的にリスクテイクを行うリスクの2つに分けられる。

 また、オーストラリア出身の経営学者であるピーター・ドラッカーは、チャンスがあるのに見過ごし、機会損失を被るリスクも「負わないリスク」としてリスクの範囲に含めている。

2017年6月15日

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