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CFOの責務としてのコーポレートガバナンスと収益性向上

 2015年6月、「会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上」を目的にコーポレートガバナンス・コードが東証で定められた。過去、ガバナンスという言葉はダウンサイドの防止という側面が強かったように思われるが、コーポレートガバナンス・コードでは、「いかに儲けるか」「いかに収益性を上げるか」に重心が置かれていると認識している。それは、経営の中心課題であり、CFOの責務でもある。

 私は1983年ソニー入社以来、財務、IR、社長スタッフといった本社系の部署を中心に仕事をしてきた。2000年、ソニーコミュニケーションネットワーク株式会社(ソネット株式会社)への異動がキャリアの転機となった。2005年4月、ソネット社長就任に伴い、ソニーを退職。ソニーからの自立をテーマにソネットの上場準備を開始した。同年12月、東証マザーズに上場。2008年には、東証一部に指定替えをした。ソネットがソニーのTOBによる完全子会社化で上場廃止となった後の2013年12月、ソニー社長の平井一夫から「経営改革を手伝ってほしい」と声をかけられ、ほぼ14年ぶりにソニー本体に復帰。2014年4月からCFOを務めて現在に至っている。

 ここでは、ソニーの紹介、業績とガバナンスについて触れたのち、ガバナンスに関わる事例を七つ挙げ、考察を加えながらお話しさせていただきたい。

低迷する業績と先進的なガバナンスの仕組み

 ソニー株式会社は1946年に設立、2016年70周年を迎える。ソニーグループのミッションは「ユーザーの皆様に感動をもたらし、人々の好奇心を刺激する会社であり続ける」で、“感動”を一つのキーワードとしている。

 事業分野は、エレクトロニクス、エンタテインメント、金融の大きく三つ。2015年度の連結売上高8兆1,057億円、連結従業員数12万5,300人で、幅広い事業領域と地域的な広がりを持って展開している。

 最近の業績から見たソニーの実態を率直に申し上げれば、直近の2015年度の純利益が実質8年ぶりの最終黒字であった。2012年度は資産売却による一時利益で黒字化したものの、実質8年間で1回しか最終利益を出していない会社というのが、業績から見た当社の実態である。

 ガバナンスに目を転じれば、グローバル経営という課題に長く直面してきたことから、比較的先進的な取り組みを行ってきたのではないかと思う。ADRの発行、US-GAAPによる連結決算、NYSEへの上場は、いずれも日本企業初であった。1970年には社外取締役が2名入り、四半期決算を実施。1997年、執行役員制度を初めて導入。当時38人いた取締役の人数を10人に減らした。今では珍しくない話であるが、当時はけっこう話題になった。

 2003年、委員会等設置会社に移行。この年、委員会等設置会社に同時に移行した44社の中の1社であった。2005年からは、社外取締役が過半数を占めた。現時点でも、取締役総数11人のうち社内取締役は社長の平井と私の2名で、残り9人は基本的に社外となっており、取締役会議長も社外取締役が務めている。

2016年8月18日

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