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業界事情とグローバル財務管理の端緒

 「なぜ2015年までできなかったグローバル財務管理の取り組みを、2016年に進めることができたのか」――今回の講演に当たり、われわれは社内で議論した。結果、三つの考えに至った。①「海外の売上比率が約80%」という現状があり、2010年から2015年にかけて売上高は2倍となり、海外の資金ポジションがどんどん増えて、②「グローバルな財務リスクが増大」してきた。それに伴って、グローバルな資金の過不足が地域で生じ、③「グローバルな資金の有効活用が必要」となった。例えば、オーストラリアでは資金がうまく回り、かなり貯まっていたが配当で持って帰るしかない状況があり、それを「同じポケットとして利用できないか?」という課題があった。日本だけで資金繰りを行うのではなく、グローバルなトレジャリーマネジメントの必要性がわれわれの取り組みのスタート地点であったのだ。

 こうして2016年の取り組みへとつながっていったのである。

2016年の取り組み。グローバル財務ガバナンス規程を中心に

 2016年の取り組みを「財務ガバナンス規程」に沿って紹介する前に、タイムスケジュールを概観しておこう。

 2016年1月、グローバルCMSの導入を取締役会に上程。前年の2015年に私が採用された経緯も、グローバルな資金管理を行いたいというマネジメントの意思があった。4月には、グローバル財務ガバナンス規程を取締役会に上程、GCMSが動き始め、グローバルの為替エクスポージャー管理が始動する。弊社では、基本的にシューズはすべてアジアの工場で生産している。支払いはすべてドルだ。しかしながら、回収通貨は売り上げた国の通貨となる。つまり南アフリカで売れれば南アフリカ・ランドに、ロシアであればルーブルとなる。

 7月には、為替リスクを抑えていかなければということで、「グローバル為替予約ガイドライン」を導入する。これまで、例えば非常にうまくいっていたオーストラリアは、「ドルの支払があるけれども、豪ドルは強いから大丈夫」と予約しなかったが、7月以来ガイドラインに沿った為替予約を実行するようになった。11月にはJCRで初の格付けA+を獲得、さらに12月には、弊社初のSBを発行。初回債は投資家から高い評価を得るとともに成功裏に終えることができた。

・成功の要因は「グローバル財務ガバナンス規程」にあり
 われわれは、なぜグローバルに財務の高度化を含めてGCMSを前進させることができたのかを振り返れば、プロジェクト成功の要因はすべて「グローバル財務ガバナンス規程」にあったと言える。実務で忙しい毎日の中でのプロジェクトへの取り組みは困難の連続だった。「グローバル財務ガバナンス規程」やGCMSがなくても、会社がすぐに立ちいかなくなることはない。そういう観点からすると困難な取り組みであったが、その労力以上の成果を得ることができたと思っている。その中身を見ていただきたい。紹介する規程は決して微に入り細を穿つようなものではなく、骨太の考えを10条で示したものだ。その中から、財務ガバナンス規程の理念と主要項目を5つ紹介する。

2017年4月17日

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