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	<title>Corporate Executive ForumCEF INSIGHTS &#8211; Corporate Executive Forum</title>
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    <title>生命体から考える会社第４回　会社の病気—経営者は会社という生命体の主治医である—</title>
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    <pubDate>Wed, 01 Jul 2026 00:00:10 +0000</pubDate>
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    <description><![CDATA[突然だが、あなたの会社に、こんな状態はないだろうか。
社員が楽しそうじゃない。]]></description>
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<div class="titleArea">
<div class="backImage"><img src="https://forum.cfo.jp/wp-content/uploads/2026/03/1-t.png" alt="" width="960" height="400" class="alignnone size-full wp-image-38173" /></div>

<h1 style="line-height:1.2em;padding-top:120px;text-shadow: 2px 2px 4px rgba(0, 0, 0, 0.3);">
生命体から考える会社<br><span>第４回　会社の病気<br>—経営者は会社という生命体の主治医である—</span>
</h1>
</div>

<div class="mrBtm20 btm_2">
<h2 class="fontMin">谷口 宏</h2>
<p class="txt11">株式会社CFO本部 代表取締役社長</p>
</div>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　突然だが、あなたの会社に、こんな状態はないだろうか。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　社員が楽しそうじゃない。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　これが、最近最も気になる未病のサインだ。さらに言えば、経営者や経営陣自身も楽しそうじゃない、そんな声を協会活動の中でよく耳にするようになった。数字には出ない。指標にもならない。しかし、その場の空気として誰もが感じている。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　他にも、こんな状態はないだろうか。優秀な人が辞めていく。会議は増えているのに何も決まらない。数字は達成されているが現場に活気がない。社内資料ばかり増え、会議資料はどんどん厚くなる。メールやチャットは飛び交うのに、本音の対話が減っている。「おかしい」と感じている人はいるのに、誰もそれを口にしない。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　こうした状態を、多くの経営者は「まあ、どこの会社にもあること」として受け流してしまう。あるいは個別の問題として対処しようとする。離職率が上がれば採用を強化し、会議が長ければ会議のルールを変え、現場が疲弊していれば福利厚生を充実させる。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　しかし、これらは別々の問題だろうか。これらはすべて同じ根から出ている「症状」である。そして症状を１つひとつ潰しても、根が変わらない限り別の症状がまた現れる。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　東洋医学には「未病」という概念がある。まだ病気として発症はしていないが、身体のバランスが崩れ始めている状態のことだ。この段階で根本に手を入れれば、大きな病気を防ぐことができる。しかし、症状だけを見ていると、未病は見えない。今回は、この「未病」という視点から会社の病気について考えてみたい。</p>
<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">未病という考え方</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　東洋医学の基本的な前提は、西洋医学とは視点が異なる。西洋医学が病気の原因を特定し、それを排除することを得意とするのに対して、東洋医学は身体全体のバランスの崩れが病気を引き起こすという前提に立ち、全体を診ようとする。どちらが正しいということではなく、見ているものが違う。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　未病とは、この考え方から生まれた概念だ。病気が発症する前の段階には、必ず身体のバランスが崩れ始めているサインがある。疲れやすい、眠りが浅い、食欲が安定しない。こうした状態を東洋医学では、病気ではないが健康でもない状態として捉える。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　重要なのは、このサインを無視して症状だけを抑え続けると、やがて本格的な病気として発症するという点だ。逆に言えば、未病の段階で身体全体のバランスを整えることができれば、多くの病気は防げる。冒頭に挙げた様々な状態は、すべて未病のサインとして読むことができる。特に「社員が楽しそうじゃない」という状態は、組織の魂が失われ始めているサインであり、最も見過ごされやすく最も深刻なものだ。</p>
<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">症状は身体の言葉である</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　西洋医学は症状の除去を得意とする。これは、その発展の経緯と深く関係している。西洋医学が飛躍的に進歩したのは、第一次世界大戦の戦場においてだ。大量の負傷者を短時間で処置しなければならないという極限状態の中で、外科手術・麻酔・感染症対策が急速に発展した。戦場では、目の前の症状を素早く抑えることが最優先だ。この文脈で進化した医学は、症状を特定してそれを止めることを得意とする方向に発展した。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　これは、戦場や急性疾患の治療においてはまさに正しいアプローチだ。しかし、東洋医学が示すように、身体に現れる症状は必ずしも「排除すべき敵」ではない。症状とは、身体が「ここに問題がある」と発しているシグナルであり、同時に「自分を治そうとしている」反応でもある。そのシグナルの意味を読まずに止めることは、問題を解決しているのではなく、問題を見えなくすることにつながりかねない。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　経営において必要なのは、この症状を読むという視点だ。症状が出たとき、それを消すのではなく「これは何を語っているのか」と問うこと。これが、東洋医学が経営に示す最も重要な示唆である。</p>
<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">会社の症状も身体の言葉である</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　この視点を、会社に重ねる。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　社員が楽しそうじゃない。数値にはならないのにこれほど雄弁な症状はない。人は志を持って働けているとき、自然と表情に出る。逆に、会社という場が人の生命エネルギーを削っているとき、それもまた表情に出る。楽しそうじゃないという空気は、組織の食事・運動・睡眠のどこかが、あるいは根本の魂が崩れ始めているサインである。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　優秀な人が辞めていく。これは人事部門の問題ではない。優秀な人は、組織の中で何かが壊れ始めていることを、他の誰よりも早く感じ取る。辞めること自体が症状であり、そこには必ず組織の内側のバランスの崩れがある。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　会議は増えているのに何も決まらない。これは会議の運営方法の問題ではない。何かを決めることへの恐怖が組織に広がっているからではないか。失敗が許されない文化か、責任の所在の曖昧さが広がっている。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　社内資料ばかり増え、会議資料が多くなる。本音の対話が減り、形式的なやりとりだけが増える。これは組織が「見せるための仕事」に向かい始めているサインだ。誰かに説明するための資料が、実際に考えるための資料を凌駕し始める。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　これらの症状は、それぞれ独立した問題ではない。すべて組織全体のバランスの崩れという同じ根から生えている。だから１つを対処しても、別の場所に症状が出る。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　あなたの会社に現れている症状は、何を語っているだろうか。 症状の先にある根を見ているだろうか。</p>
<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">「症状を治す」と勘違いした経営手法</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　なぜ、このような症状が見過ごされるのだろうか。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　その理由の１つは、多くの企業が症状そのものを読むことよりも、症状を管理する仕組みに意識を向けるようになっているからである。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　本来、症状は身体からのメッセージである。しかし私たちはいつの間にか、そのメッセージを読むことよりも、症状を分類し、測定し、管理する技術の方に関心を向けるようになった。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　症状を特定してそれを止めるという発想は、現代の経営の世界に深く浸透している。その１つがベストプラクティスへの過信だ。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　いつからか、経営の世界にはベストプラクティスを参照し、その事例を目標にすることが当たり前になった。しかし、過去のベストプラクティスは、その時代の経営環境、競争状況、事業の成熟度、その企業固有の文化や人材の中で生まれた結果にすぎない。前提が変われば、必要なアプローチも変わる。別の患者に効いた治療法が、この患者にも効くとは限らない。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　もう１つ、チェックリストの問題がある。チェックリストはもともと、現場での事故を防ぐための実用的なツールだった。パイロットが離陸前に計器を確認する、工場で安全項目を点検する。その目的では非常に有効だ。しかし、今やチェックリストは、経営の領域にまで入り込んでいる。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　ゴルフの上達を例にとる。初心者はしばしば、スイングの連続写真を撮り、チェックポイントを１つひとつ確認しようとする（私もこのタイプである）。グリップはどうか、肘の角度は、体重移動は、フォロースルーは、など。しかし、本当に優れたプロのコーチはこのやり方を採らない。チェックポイントの列挙ではなく、重心管理とエネルギーの使い方という本質を教えることに集中する。本質をマスターすれば、その他のチェックポイントは自然と解決されるからだ。逆は真でない。チェックポイントをすべてクリアしても、本質を理解していなければスイングは改善されない。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　経営も同じである。優れた企業を分析すれば、様々な優れた特性が確かに見出される。しかし、それは、理念とビジョンという根本があったからこそ、結果としてそれらの特性が育まれたのだ。その因果関係を逆にして、「優れた企業はこういう特性を持っているから、この特性を１つずつ整備すれば優れた企業になる」と考えることは、根本的に誤っている。</p>
<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">ガバナンスの限界――目的と手段の逆転</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　この問題が最も顕著に現れているのが、近年のコーポレートガバナンス強化の流れである。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　コーポレートガバナンス・コードが示す原則の内容は、それ自体は間違っていない。取締役会の実効性を高めること、情報開示の透明性を確保すること、株主との対話を促進すること、などいずれも、企業経営が守るべき重要な原則だ。多くの経営者がこの原則を実現しようと真摯に取り組んでいることも知っている。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　コーポレートガバナンス・コードの原則を１つひとつチェックリスト化し、未達の項目を課題として整備していく。この作業がガバナンス強化として行われる。しかし冷静に考えて、このチェックリストをすべて埋めた先に本当に強い経営はあるのだろうか。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　繰り返しになるが、優れた企業を分析すればこうした特性を持っているということと、こうした特性を整備すれば優れた企業になるということは、まったく別次元の話だ。逆は真でない。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　理念とビジョンが先にあり、戦略・組織設計・オペレーションはそれに従う。本来この順序であるべきなのに、ガバナンス対応の中で、手段が目的になっていないだろうか。チェックリストの項目を埋めることが経営改革となり、それを実行することが優れた経営の証のように見えてしまう。そうした逆転が、静かに広がっている。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　投資家の視点を経営に取り入れることは重要だ。企業が社会に対して説明責任を果たすことも必要だ。しかし、投資家の視点だけで経営を設計することには根本的な限界がある。会社が本当に健康であるかどうかは、理念が生きているか、組織風土が健全か、働く人が志を持って動いているか、そうした外から数値で測れないものの中にある。投資家の視点を取り入れることと、投資家の視点だけで経営することは、まったく別の話だ。</p>
<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">KPIという処方箋の位置づけ</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　同じ問題は、KPIにも現れる。KPIは現場でよく使われる指標だ。目標に向かって進んでいるかを確認するための、有用な道具である。血圧・体温・脈拍が健康状態を示すバイタルサインであるように、KPIは組織の状態を示す指標だ。うまく使えば、早く異常に気づくことができる。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　問題は、KPI自体が目的になったときに起きる。バイタルサインが正常値に入っていることは健康であることの必要条件だが、十分条件ではない。指標を改善することと、組織が本当に健康になることは別の話だ。KPI偏重の組織では、数値を改善するための行動が最優先になり、なぜその数値が悪化しているのかという根本への問いが後回しになる。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　理念を共有した組織は、KPIが変わっても方向を見失わない。なぜそこに向かうのかが体に染み込んでいるからだ。逆に、KPIだけを羅針盤にしている組織は、環境が変わってKPIが変わったとき、トップからの修正指示がなければ誰も動けなくなる。</p>
<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">経営者は会社という生命体の主治医である</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　ここまで「症状を治すことと病気を治すことの違い」について論じてきた。しかし、実はこの回を通じて浮かび上がってきているのは、病気論ではなく、「経営者とは何をする人なのか」という問いへの答えだ。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　ゴルフスイングの話に戻る。チェックリストのすべての項目をクリアしても、本質をマスターしていなければスイングは改善されない。しかし本質をマスターすれば、その結果としてチェックリストの項目は自然とクリアされる。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　これが、「逆は真でない」ということの意味だ。優れた経営の結果として、ガバナンス指標もKPIも良好な状態になる。しかし、ガバナンス指標とKPIを整備しても優れた経営にはならない。この順序を間違えることが、現代の経営が陥っている最大の罠ではないか。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　では、本質とは何か。理念と組織風土と人の志という根本を整えることだ。そしてそれを整えるのは、誰か。経営者である。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　医師の仕事は、患者が訴える症状に対して処方箋を出すことだけではない。優れた医師は、患者が気づいていない身体の変化を察知し、病気が発症する前の段階で手を打つ。患者の生活習慣・食事・ストレス・体質、これらを全体として見て、そのバランスの崩れを感じ取る。これが「未病を診る」ということだ。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　経営者の役割もこれと同じではないか。問題が起きてから対処することではない。問題が起きる前の変化を感じ取り、会社という生命体の健康を守ることだ。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　会社には本能がない。身体が疲れれば眠くなるように、組織が弱れば自動的に警告が出る仕組みは存在しない。だからこそ経営者が、医師が患者の未病を診るように、会社という身体を丁寧に見続けなければならない。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　経営者の役割は、問題を解決することではない。問題が起きる前の変化を感じ取り、 会社という生命体の健康を守ることである。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　それが経営者という仕事の本質だと思う。</p>
<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">健康はそれ自体が目的ではない</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　ただし、１つ付け加えておきたいことがある。健康は、それ自体が目的ではない。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　医師の本当の役割は、患者を健康にすることそのものではない。健康は、患者がやりたいことをやり、生きたい人生を生きるための前提条件にすぎない。健康管理そのものが目的化した人生があるとすれば、それは本末転倒である。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　会社も同じだ。会社という生命体の健康、すなわち理念が生き、組織風土が整い、器官がバランスよく機能している状態は、それ自体が目的ではない。健康は、会社が本来の役割を果たすための前提条件にすぎない。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　では、会社の本来の役割とは何か。それは、人で言うところの魂にあたる、理念や志を社会の中で実現することだ。健康な肉体があってはじめて、魂は十分に発揮される。しかし、健康な肉体それ自体は何も生み出さない。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　経営者の本当の役割は、健康を守ることそのものではない。健康という前提条件を整えながら、なぜこの会社が存在するのかという会社の魂を、社会の中で実現し続けることだ。主治医であることは、経営者の役割のすべてではない。それは、もっと大きな何かを実現するための、欠かせない土台である。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">まとめ</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　症状を消すことと、病気を治すことは違う。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　ベストプラクティスの適用、チェックリストの整備、KPIの管理。これらは道具である。使いこなすことに問題はない。しかし、道具を目的と混同したとき、経営は本質から離れていく。コーポレートガバナンス・コードの原則は正しい。しかし、その原則をチェックリスト化し、項目を埋めることを経営改革と呼ぶとき、目的と手段の逆転が起きる。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　未病を診るとは、症状の先にある根本を見ることだ。理念・組織風土・人の志、この根本を整えることが、会社の病気を本当に治す道である。そしてその根本を整える責任を負うのが、会社という生命体の主治医としての経営者だ。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">次回予告</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　これまで、会社という生命体の内側を見てきた。魂としての理念、器官としての組織機能、食事・運動・睡眠という習慣、そして未病を診る経営者の役割。しかし、会社は内側だけで成り立っているわけではない。会社を実際に動かしているのは、そこで働く一人ひとりの人間だ。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　前回、会社の食事について、何を取り込むかが会社をつくるという話をした。会社は資本と人材を取り込んで生きていると。しかし、取り込まれる人の側から見ると、この同じことはまったく違って見える。人は自らの時間・能力・情熱、そして人生を、その会社に投じているのだ。会社にとっての食事は、人にとっては投資である。多くの人は、それを投資だと考えたことがない。しかし人は日々、最も貴重なものを会社に投資している。次回は、この「人の投資」について、じっくり考えてみたい。</p>





</div>
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    <title>生命体から考える会社第３回　会社という生命的組織─何を食べ、どう動き、どう休むか─</title>
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    <comments>https://forum.cfo.jp/cefinsights/?p=38735/#respond</comments>
    <pubDate>Mon, 01 Jun 2026 00:00:55 +0000</pubDate>
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    <description><![CDATA[前回は、人を動かすエネルギーの流れを見た。人の内側から「情」が湧き上がり、その情が他者へ向かうと「愛」になり、さらに社会へとつながると「志」になる。こうしたエネルギーによる行動の積み重ねが個人の人格をつくる。
では、こうした人が集まってできた「会社」は、生命体として何をしているのか。どのように存在し、どのように健康を保ち、どのように弱っていくのか。]]></description>
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<div class="titleArea">
<div class="backImage"><img src="https://forum.cfo.jp/wp-content/uploads/2026/03/1-t.png" alt="" width="960" height="400" class="alignnone size-full wp-image-38173" /></div>

<h1 style="line-height:1.2em;padding-top:120px;text-shadow: 2px 2px 4px rgba(0, 0, 0, 0.3);">
生命体から考える会社<br><span>第３回　会社という生命的組織<br>─何を食べ、どう動き、どう休むか─</span>
</h1>
</div>

<div class="mrBtm20 btm_2">
<h2 class="fontMin">谷口 宏</h2>
<p class="txt11">株式会社CFO本部 代表取締役社長</p>
</div>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　前回は、人を動かすエネルギーの流れについて考えた。人の内側から「情」が湧き上がり、その情が他者へ向かうと「愛」になり、さらに社会へとつながると「志」になる。こうしたエネルギーによる行動の積み重ねが個人の人格をつくる。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　では、こうした人が集まってできた「会社」は、生命体として何をしているのか。どのように存在し、どのように健康を保ち、どのように弱っていくのか。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　今回は、会社という組織を人体に重ねて考えてみたい。ただし、心臓は企業のどの機能、脳はどの部門、といった対応表を精緻につくることが目的ではない。それをやり始めると、例外や反論が際限なく生まれて本質を見失ってしまう。ここで伝えたいのは、人体という生命体が持つ構造を手がかりに、会社という組織を見直すことである。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">会社には肉体と魂がある</h3>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　人間について考えるとき、我々はしばしば「身体」と「心（魂）」を区別する。身体とは、目に見え、触れることができる物質的な存在だ。一方、心あるいは魂とは、その人の本質であり、何のために生きるのかという存在の意味そのものである。これは会社にもそのまま当てはまる。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　会社の「肉体」とは、人材・資本・設備・システムといった物質的な資源と、それを機能させる組織の仕組みである。一方、会社の「魂」とは、経営理念であり、その会社がなぜ存在するのか、何のために価値を生み出すのかという存在の意味そのものだ。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　肉体がいかに健康であっても、魂が失われた会社は機能しない。財務的に健全で組織体制が整っていても、なぜそこにいるのかがわからない組織は内側から力を失っていく。逆に、魂が明確に宿っている会社は、多少の肉体的な不調があっても強い回復力を持つ。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　経営理念は、スローガンとして壁に貼られ形骸化することが多い。しかし、魂とは宣言するものではなく、日々の判断と行動の中に宿るものである。それが失われた会社を、私たちはいくつも見てきた。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">会社という身体の器官たち</h3>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　肉体と魂を区別したうえで、肉体の側、すなわち会社の器官について考えていきたい。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　「脳」にあたるのは情報処理と分析の機能である。ここで重要なのは、脳は「考える」器官であって「決める」器官ではないという点だ。前回述べたように、人間の最終的な判断は脳だけで下されるのではない。腸内細菌に裏付けられた気質や性格、そして魂が、判断の本質的な部分を担っている。脳はその材料を提供するにすぎない。会社においても、経営企画・管理会計・データ分析は情報を整理し選択肢を示すが、最終的な判断は組織風土（腸）と経営理念（魂）によって下される。「データが揃っているのに判断が遅い」組織の問題は、脳ではなく風土と魂の問題ではないだろうか。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　「心臓」にあたるのは、情報と社内外のコミュニケーションを循環させる機能である。会社における「血液」とは情報だ。現場で起きていることが経営に届き、経営の意図が現場に届く。投資家との対話、顧客からのフィードバック、社内の報告と相談など、こうした情報の循環全体が心臓の機能にあたる。血行不良が身体の末端を冷やすように、情報が滞ると組織の末端は孤立し、経営は実態を見失う。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　「腸」にあたるのは、組織風土である。前回詳しく論じた通り、腸内細菌が人間の感情・気質・判断の質に影響を与えるように、組織風土はそこで働く人の行動の質を深いところから規定している。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　「免疫」という仕組みにあたるのは、内部監査・法務・コンプライアンスといった機能だ。平時には目立たないが、機能しなくなったときに初めてその重要性が認識される。免疫が弱った身体が感染症に無防備になるように、この機能が形骸化した組織は不祥事に対して無防備になる。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">皮膚は内側を映す鏡である</h3>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　ここで、体の器官とは別に「皮膚」の話をしたい。皮膚について、多くの人は「外側を守るもの」として捉えている。しかし皮膚の役割は、それだけではない。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　皮膚が荒れたとき、多くの人はまず皮膚そのものに問題があると考える。保湿クリームを塗り、皮膚科を受診し、外側から対処しようとする。しかし皮膚は内側の状態を映す鏡だ。肌荒れ・湿疹・くすみ・吹き出物、これらは皮膚そのものの問題ではなく、内臓の疲労、腸内環境の乱れ、毒素を排出しようとする身体の反応として現れていることが多い。皮膚は、外から見えない内側の状態を、外に向かって語っているのだ。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　だから、皮膚の状態を注意深く見ることは、内側の状態を読むことにつながる。外側を整えても内側が変わらなければ症状はまた現れる。内側を整えれば、皮膚は自然と変わっていく。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　会社においてブランドは、この皮膚にあたる。ブランドとは広告や広報活動で作り上げるものではない。企業の内側、すなわち理念の強さ、組織風土の健全さ、働く人の志の質が自然に外側に滲み出てきたものがブランドである。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　優れた企業のブランドが長年にわたって輝き続けるのは、内側が健全だからだ。逆に、ブランドが突然傷つく企業には、必ずその前に内側の問題があった。不祥事や不正が表面化したとき、「あの会社がなぜ」と驚く人は多い。しかし内側を注意深く見ていた人には、予兆が見えていたはずだ。ブランドの傷は、内側の病が外に現れたものである。だとすれば、ブランドを守りたいなら、外側ではなく内側を整えることが先決だ。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　これらの器官は互いに支え合っている。脳（分析）がいくら優れていても、腸（組織風土）が乱れていれば判断は歪む。心臓（情報循環）がいかに機能していても、魂（理念）が失われていれば、循環する情報に意味が宿らない。人体の健康が１つの器官だけで決まらないように、会社の健康も全体のバランスによって保たれる。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">「食事」──何を取り込むかが、会社をつくる</h3>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　器官の構造を理解したうえで、次に問うべきは「その身体をどう維持するか」である。<a href="https://forum.cfo.jp/cefinsights/?p=38209/" rel="noopener" target="_blank" class="link">第１回</a>で述べた通り、人の健康を支えるのは食事・運動・睡眠という３つの習慣であり、これは会社の健康にもそのまま当てはまる。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　まず食事から考えたい。人間は食べたものでできている。しかしここで言う「食べるもの」は口に入る食物だけではない。日々読む本、付き合う人、触れる情報など、取り込むすべてのものが人間の内側をつくる。「朱に交われば赤くなる」という言葉はまさにこのことだ。尊敬できる人の近くにいると自分も成長し、質の低い情報だけに触れていると判断の基準が歪んでいく。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　では、会社にとっての「食事」とは何か。資本・人材・情報の取り込みである。どのような投資家から資本を受け入れるか。どのような動機を持つ人材を迎え入れるか。経営者が日々どのような情報に触れ、誰と対話しているか。これらが積み重なり、組織の判断基準と風土を形成していく。「お金に色はない」と言うが、短期回収を求める資本を多く受け入れれば経営判断は自然と短期化し、使命に共鳴した人材が集まる組織は困難な局面でも内側からエネルギーが湧く。取り込むものの質が、会社の内側をつくるのだ。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　食事の質を考えるとき、農業の視点は非常に示唆に富む。私たちの食べ物は土壌からできている。土壌の質、含まれるミネラル、微生物の種類と多様性が、そこで育つ作物の質を決める。地方の名産品とは、その土地の土壌と気候と微生物が生み出したものであり、人工的に再現できるものではない。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　しかし現代、農薬と化学肥料の普及によって土壌内の微生物の多様性も大きく変わってきた。全国どこでも同じ作物が育つようになった一方で、その土地が持つ固有の生命のバランスは少しずつ失われ、食べる人間の腸内細菌の多様性もまた影響を受けている可能性がある。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　この連鎖を会社に重ねると、均質化された資本・人材・情報の取り込みは、組織の風土を均質にしていく。「尖った人材がいない」という悩みを多くのCHROから聞いてきた。しかし尖った人材がいないのではなく、尖ることを良しとしない評価の運用が採用と育成の段階で均質化を生み出しているのではないか。土壌が作物の質を左右するように、会社の食事が組織の風土をつくり、その風土が、そこで働く人の情の質に影響を与える。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　あなたの会社はどのような食事をしているだろうか。 資本・人材・情報の「質と量」を今一度問い直してほしい。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">「運動」──挑戦という負荷が組織を鍛える</h3>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　次に運動である。筋肉は使わなければ衰える。身体を動かさない生活を続ければ、筋力は落ち、代謝は低下し、免疫機能も弱くなる。適切な負荷をかけ続けることが健康の条件であり、負荷のない運動は運動とは言えない。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　会社にとっての運動は、事業活動そのものである。市場に向き合い、顧客と接し、試行錯誤し、改善し続ける。競合との緊張関係の中で判断を磨き、市場の変化の中で適応力を鍛える。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　問題は、「負荷をかけない組織」が増えていることだ。過去の成功体験に寄りかかり、変化を避け、挑戦を先送りにする。見た目には安定しているように見えても、組織の筋力は着実に落ちていく。短期的な数値目標が優先される環境では不確実な挑戦よりも確実な現状維持が選ばれやすく、失敗が許されない文化では新しいことへの挑戦はリスクとして映る。こうして組織は意図せず「運動不足」の状態に陥っていく。運動には負荷とともに回復の時間も必要で、適切な挑戦とそれを支える余裕、この両方が揃って初めて組織は鍛えられる。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">「睡眠」──振り返りと学習が、経験を知恵にする</h3>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　最後に睡眠である。睡眠は単なる休息ではない。睡眠中、脳は日中の経験を整理し、記憶を定着させ、身体の各部位を修復する。睡眠を削り続けた身体は、一時的には動いていても、やがて確実に壊れる。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　会社にとっての睡眠にあたるのは、振り返りと学習の時間である。走り続けるだけでは、経験は知恵にならない。プロジェクトが終わっても次にすぐ移る。失敗しても原因を深く問わない。成功しても何が良かったかを言語化しない。こうした組織では、経験は積み重なっても組織の力にはなっていかない。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　多くの組織でこの時間は最初に削られる。しかし睡眠を削れば翌日のパフォーマンスが落ちるように、振り返りを省けば組織の成長は止まる。人材育成や研修への投資が「コスト」として削られやすいのも同じ構造だ。短期的には何も起きない。しかし５年・10年のスパンで見たとき、この差は組織の力として決定的に現れる。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">そして、もっとも意識されないもの──「呼吸」</h3>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　食事・運動・睡眠という3つの習慣を論じてきた。しかし<a href="https://forum.cfo.jp/cefinsights/?p=38209/" rel="noopener" target="_blank" class="link">第１回</a>でも触れた通り、もう1つ、健康にとって根本的な要素がある。それは「呼吸」だ。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　私たちは１日に約２万回の呼吸をしている。そのほとんどを意識していない。当たり前すぎるからだ。しかし呼吸が止まれば、食事も運動も睡眠も意味を失う。呼吸とは、もっとも意識されないが、もっとも根本的な生命活動である。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　会社にとっての呼吸が何にあたるのか。これは重要だが、詳しく論じると１つの回が必要になる。次回以降で改めて取り上げたい。ただ一点だけ先に述べておくと、会社にとっての呼吸とは社会との接点である。その接点が失われたとき、企業は呼吸が止まった身体のように、急速に力を失う。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">まとめ</h3>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　会社という生命的組織には、肉体と魂がある。器官がいかに整っていても、経営理念という魂が失われた会社は機能しない。そして魂が宿っていても、肉体の習慣が乱れれば、その魂は十分に発揮されない。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　食事（何を取り込むか）は、食物だけでなく、情報・人・資本のすべてに及ぶ。会社もまた、取り込むすべてのものによってつくられていく。そしてその内側の状態は、皮膚＝ブランドという外側に必ず現れる。ブランドを守りたいなら、外側ではなく内側を整えることが先決だ。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　運動と睡眠もまた、会社の健康に不可欠な習慣である。適切な挑戦という負荷が組織を鍛え、振り返りと学習という睡眠が経験を知恵に変える。そして呼吸（社会との接点）については、次回以降で改めて論じる。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　会社には本能がない。だからこそ経営者が、この生命的な組織の健康を意識的に診続けなければならない。経営者とは、魂を守りながら肉体の健康を維持する存在である。

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1"><strong>次回予告</strong></p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　健康な身体でも、病気になることがある。病気は突然起きるように見えて、その前に必ず「未病」の状態がある。東洋医学が示すこの概念は、会社にもそのまま当てはまる。症状を消すことと、病気を治すことは違う。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　次回は、会社の「病気」を生命の視点から考える。</p>




</div>
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  </item>
    <item>
    <title>生命体から考える会社第２回　人とは何か、生命とは何か―人を動かすものの正体―</title>
    <link>https://forum.cfo.jp/cefinsights/?p=38414/</link>
    <comments>https://forum.cfo.jp/cefinsights/?p=38414/#respond</comments>
    <pubDate>Fri, 08 May 2026 00:00:26 +0000</pubDate>
    <dc:creator><![CDATA[user_yujinsha]]></dc:creator>
    		<category><![CDATA[CEF INSIGHTS]]></category>
		<category><![CDATA[CEF INSIGHTS No.3]]></category>
		<category><![CDATA[Executive Lens]]></category>

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    <guid isPermaLink="false">https://forum.cfo.jp//?p=38414/</guid>
    <description><![CDATA[会社の健康を保つことが経営の役割である。前回はその話をした。
食事・運動・睡眠・呼吸。生命体としての会社を維持するためには、これらの機能を意識的に整える必要がある。そして、それを行うのは人間でなければならない。なぜなら会社には本能がなく、自ら健康を守る仕組みを持っていないからだ。]]></description>
        <content:encoded><![CDATA[<style type="text/css">
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<div class="titleArea">
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<h1 style="line-height:1.2em;padding-top:120px;text-shadow: 2px 2px 4px rgba(0, 0, 0, 0.3);">
生命体から考える会社<br><span>第２回　人とは何か、生命とは何か<br>―人を動かすものの正体―</span>
</h1>
</div>

<div class="mrBtm20 btm_2">
<h2 class="fontMin">谷口 宏</h2>
<p class="txt11">株式会社CFO本部 代表取締役社長</p>
</div>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　会社の健康を保つことが経営の役割である。前回はその話をした。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　食事・運動・睡眠・呼吸。生命体としての会社を維持するためには、これらの機能を意識的に整える必要がある。そして、それを行うのは人間でなければならない。なぜなら会社には本能がなく、自ら健康を守る仕組みを持っていないからだ。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　ここで１つの問いが生まれる。その経営を担う「人」はいったい何によって動いているのだろうか。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　どれほど優れた仕組みや制度を整えても、人が動かなければ会社は動かない。会社を実際に動かしているのは人だからである。では、人は何によって動くのか。この問いに向き合うことなしに、会社という存在を本当に理解することはできない。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">人の行動の出発点には「情」がある</h3>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　誰かを助けたいと思う。理不尽なことに違和感を覚える。価値あるものを届けたいと感じる。こうした感覚は、理屈よりも先に、内側から自然に立ち上がる。情とは、内側から湧き上がる生命エネルギーである。人はまず、このエネルギーによって動き出す。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　例えばCFOの仕事を考えてみる。企業のビジョン実現のために巨額の投資が必要だとわかったとき、財務数値だけを見てリスクを列挙し「反対」と言うだけなら、誰でもできる。本当に優れたCFOは、その投資がどうしても必要だと判断したとき、最悪のシナリオを徹底的に想定し、それでも会社が破綻しない資金構造を設計し、事業側と同じ熱量で投資の成功に関わっていく。リスクを管理しながら、同時にリスクを引き受ける。この矛盾を抱えて動けるのは、財務の論理だけではない。会社のミッションへの情がなければ、この行動は生まれない。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　これは合理的な判断の話ではない。会社のミッションに対する、内側から湧き上がる共感と熱量の話だ。その情がなければ、リスクを引き受けて行動することはできない。経済学が描く合理的な利益最大化では、この行動は説明できない。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　条件が整っていても力を発揮できない人がいる一方で、決して恵まれていなくても生き生きと働く人もいる。この違いは、合理性だけでは説明できない。情という、目に見えないエネルギーの差である。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">情は他者へ向かい「愛」になる</h3>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　この情という内側のエネルギーが他者へ向かうとき、それは「愛」と呼ばれる状態になる。愛とは、生命エネルギーが他者へ向かい、関係性を生み出していく力である。人は一人では生きられない。他者との関係の中で、はじめて価値を生む。情が個の内側にとどまるとき、それは動機であるが、他者へと広がったとき、はじめてそれは愛に支えられた組織の力になる。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　では、「愛のない組織」ではどうなるのか。それは数字の目標を持ち出したとき、見えやすくなる。売上目標何兆円、ROE何パーセント。こうした数値目標は、株主をひきつけることはできても、働く人に何をもたらすのだろうか。売上とは、市場がその商品やサービスを評価した結果の数字である。それはあくまでも結果であって、目標として人の前に掲げるものではないはずだ。数字には情も愛もない。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　むしろ近年見られるのは、株主からの過剰な数値要求が現場に伝わり、過度なストレスを生み出し、押し込み販売や不正取引、さらには粉飾といった危険な方向へ組織を誘引するケースだ。これは個人の倫理の問題ではない。愛のない目標が組織に与える歪みの問題である。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　会社の中で「この人のためなら」と思って動いた経験は、多くの人にあるのではないだろうか。理念や戦略よりも先に、人と人の関係性がエネルギーを生み出している。愛が組織の中を流れているとき、人は役割を超えて動くのだ。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">愛に方向が与えられると「志」になる</h3>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　しかし、情や愛はそれだけではまだ方向を持たない。そこに方向が与えられたとき、それは「志」となる。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　志とは、生命エネルギーが社会に向かって方向づけられた状態である。個人の内側にあったエネルギーが、他者を経て、社会へとつながる。このとき、行動は安定し、持続性を持つようになる。志がある人は、状況が変わっても大きくぶれない。なぜなら、行動の基準が外側の評価や報酬ではなく、内側から発した方向性にあるからだ。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　この「志」という言葉を、改めて体感させてくれたのは、最近知り合った有機農業家の方々だった。有機農業家は日本ではわずか１割にも満たない存在だが、例外なく、安心安全な食品を届けたい、自然環境を取り戻したいという高い志を持つ経営者だ。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　大手化学メーカーのエンジニアを辞めて家業を継いだ丹波篠山市の農業家にもお会いした。自らの圃場のみならず、地域全体の土壌環境を整えるには、周囲の里山の整備が必要ということで、自ら里山の復興にも励み、50年後の未来の自然環境を想定して働いている。自分の利益にとどまらず、地域全体の50年後を想定して働くその姿は、短期経営が叫ばれる現代に対する、静かだが強烈な問いかけでもあった。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　もちろん、志とはすぐに生まれるものではないかもしれない。情を持って動き、愛が育まれ、そして時間をかけて方向性が定まっていくものなのかもしれない。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　志を失った経営がどのような結末をもたらすかは、われわれは知っている。優良企業と称えられてきたにもかかわらず、長年にわたって組織的な不正が続いていたケースも少なくない。かつてはビジョンと熱量を持っていたはずの経営者が、なぜそこに至ったのか。それは能力の問題でも知識の問題でもない。志というエネルギーが、どこかで別の方向に向きを変えてしまったことの帰結ではないだろうか。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　重要なのは、このエネルギーの流れは自然に完成するものではないという点である。人は意識しなければ、内側のエネルギーを情のままに使い続けてしまう。情を愛へ、愛を志へと高めていくプロセスには、意識と経験の積み重ねが必要になる。そしてそこに、人の成長の本質がある。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">人の行動はエネルギーの流れとして捉えられる</h3>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　ここまでを整理すると、人の行動はエネルギーの流れとして捉えることができる。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　情は内側から生まれる生命エネルギーであり、愛は他者へ向かう関係性エネルギーであり、志は社会へ向かう方向づけられたエネルギーである。人の行動とは、このエネルギーが外に現れた姿だ。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　経営の現場でこの視点を持つと、見えてくるものが変わる。ある社員がなぜ動かないのかは、やる気の問題ではなく、エネルギーの流れが詰まっている問題かもしれない。情は持っているが、他者への愛につながっていない。あるいは愛はあるが、それが社会への志に昇華されていない。仕組みや制度を整えることと同じくらい、このエネルギーの流れを整えることが、経営者の本質的な仕事ではないだろうか。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">生命として人を見ると何が見えるか</h3>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　では、このエネルギーはどこから生まれるのか。この問いは、生命という視点から見ると理解しやすい。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　生命は、エネルギーの循環によって成り立っている。呼吸し、食べ、動き、休む。その中でエネルギーは生まれ、流れ、使われる。人の中に生まれる情や愛も、この生命の循環の中から自然に立ち上がってくる。ここで重要なのは、こうして生まれるエネルギーをどのように使っていくか決めるのは、頭脳だけではないということだ。エムラン・メイヤー博士は著書『腸と脳』の中で、脳と腸が神経・内分泌・免疫のネットワークで密接につながり、絶えず双方向に会話していることを示している。腸内には数百兆ともいわれる微生物が存在し、その状態が免疫・代謝・精神状態、さらには性格や意思決定にまで影響を与えているという。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　「直感」ですら科学的に説明できるというのだ。私たちが「なんとなくこれは違う」と感じる感覚は、単なる気のせいではなく、腸内細菌が織りなす内臓感覚に強く影響されている。過去の経験が身体反応として蓄積され、状況に応じて瞬時に再現される。それが直感の正体なのだ。つまり、人の情は頭の中だけで生まれているのではなく、腸を含む身体全体の状態の表れである。「腑に落ちる」とは正にこのことで、昔の人はこの原理を理解していたことになる。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　体調が悪いとき、人は前向きな情を持ちにくく、身体が整っているとき、人は自然と他者への関心が広がる。これは「気合いが足りない」という話ではない。生命としての人間の、腸内細菌が関係した根本的な仕組みである。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　ところで、私たちは食べたものは「体の内側に入っていくもの」と思いがちだが、実はそうではない。食べたものは「体の中に入る」のではなく、食道や胃と同じく腸という器官のおかげで「体の外側」にとどまり、腸内細菌の働きによって必要な栄養素だけを体内に取り込んでいるのだ。体に危険なものは取り込まず排出する（下痢はその症状なのだ）。腸とは、外界と体内をつなぐ精巧なフィルターであり、腸は、植物の根と同じ構造をしているのだ。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　植物の根も、腸と同じように外界と植物をつなぐフィルターだ。根は、人間の腸内細菌に相当する菌根菌などの微生物に、自分が光合成でつくり出した炭素を提供し、その代わりに窒素や微量元素を微生物からもらう。植物を実際に支えているのは菌根菌などの土壌細菌であるように、人間を形づくっているのは腸内細菌なのだ。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　土壌を学び植物のことを学ぶことは、腸内細菌を知って人間を知ることであり、人間が集まってできた会社を学ぶことにもつながるはずである。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　土壌の微生物のバランスが農作物の質を左右するように、腸内の微生物のバランスが、人の感情の質（つまり情の質）に影響を与えている。人の内側から立ち上がる「情」は、その人の身体全体の状態、そして腸内という見えない環境から生まれている。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　近年問題となっている農薬や化学肥料が農業で普及した結果、土壌内の微生物の多様性が失われてきたように、均質化された会社という環境でも、そこで働く人の感性や発想もまた少しずつ均質になっていく可能性がある。それは誰かの意図ではない。しかし、環境が人の内側に影響を与えるという生命の構造を考えれば、避けがたい帰結ではないか。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　人の情の豊かさは、その人が置かれた環境の豊かさと、切り離して考えることができない。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">人格は「行動の集積」であり、企業文化もまた然りである</h3>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　生命全体の状態が情を生み、情が愛となり、志となって行動を生む。そして、その行動が積み重なったものが、その人のあり方を形づくる。人は、考えた通りに生きるのではなく、行動した通りに形づくられていく。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　人格とは、行動の履歴である。どれほど立派な理念を掲げても、行動が伴わなければ何も生まれない。一方で、日々の小さな行動は確実に積み重なり、やがてその人らしさとなる。考えや言葉ではなく、行動こそが人格をつくる。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　この構造は、そのまま会社にも当てはまる。企業文化とは、理念でもスローガンでもない。日々の意思決定、現場での行動、人との向き合い方、その一つひとつの積み重ねが企業文化として定着する。人において行動が人格をつくるように、会社においては行動が文化をつくるのだ。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　だとすれば、企業文化を変えたいと思うなら、スローガンを変えるのではなく、日々の行動を変えることから始めるしかない。そしてその行動を変えるためには、行動の源にある情・愛・志のエネルギーの流れを整えることが必要になる。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　人を直接コントロールするのではなく、エネルギーの流れを妨げている構造を取り除くことが、結果として組織の力を引き出す。会社という場が、人の生命を豊かにするのか。それとも、じわじわと均質化させていくのか。この問いは、次回以降でさらに深く考えることにする。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">まとめ</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　人は、生命として存在している。その内側にはエネルギーがあり、それは情として立ち上がり、愛として他者へ向かい、志として社会へとつながっていく。そして、その行動の積み重ねが人格を形づくる。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　このエネルギーの流れは、頭の中だけで完結していない。腸脳相関が示すように、生命全体の状態が情の質に影響を与えている。土壌の微生物が作物の質を左右するように、人が置かれた環境が、その人の情の豊かさを形づくる。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　会社という環境が、人の生命を豊かにするのか、それとも均質化させていくのか。この問いは、これからの経営の本質に関わる問題である。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">次回予告</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　では、この「人」という生命の構造を、会社に当てはめると何が見えるのか。脳・心臓・血液・免疫・腸といった人体の器官を会社に重ねることで、組織の本質が見えてくる。また、食事・運動・睡眠という個人の健康習慣が、そのまま企業の健康にも当てはまることを考える。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　次回は、会社という生命体の内部構造を探りたい。</p>



</div>
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    <title>生命体から考える会社第１回　あなたの会社は、健康ですか</title>
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    <pubDate>Wed, 01 Apr 2026 00:00:10 +0000</pubDate>
    <dc:creator><![CDATA[user_yujinsha]]></dc:creator>
    		<category><![CDATA[CEF INSIGHTS]]></category>
		<category><![CDATA[CEF INSIGHTS No.2]]></category>
		<category><![CDATA[Executive Lens]]></category>

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    <description><![CDATA[突然だが、あなたの会社は健康だろうか。
「健康な会社」と言われると、少し曖昧に聞こえるかもしれない。
売上が伸びていれば健康なのか。利益が出ていれば健康なのか。株価が上がっていれば健康なのか。もちろん、そうした指標も重要である。だが私たちは経験的に知っている。同じ業界で、似たようなビジネスをしていても、ある会社は活力に満ちており、別の会社はどこか停滞している。数字だけでは説明しきれない違いが、確かにある。]]></description>
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<div class="titleArea">
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<h1 style="line-height:1.2em;padding-top:120px;text-shadow: 2px 2px 4px rgba(0, 0, 0, 0.3);">
生命体から考える会社<br><span>第１回　あなたの会社は、健康ですか</span>
</h1>
</div>

<div class="mrBtm20 btm_2">
<h2 class="fontMin">谷口 宏</h2>
<p class="txt11">株式会社CFO本部 代表取締役社長</p>
</div>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　突然だが、あなたの会社は健康だろうか。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　「健康な会社」と言われると、少し曖昧に聞こえるかもしれない。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　売上が伸びていれば健康なのか。利益が出ていれば健康なのか。株価が上がっていれば健康なのか。もちろん、そうした指標も重要である。だが私たちは経験的に知っている。同じ業界で、似たようなビジネスをしていても、ある会社は活力に満ちており、別の会社はどこか停滞している。数字だけでは説明しきれない違いが、確かにある。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　私は2000年に日本CFO協会を設立して以来、25年にわたりCFOをはじめとする経営者や財務部門の方々を支援してきた。2018年には日本CHRO協会、2020年には日本CLO協会も立ち上げ、コーポレート部門全般の方々と向き合っている。その中で繰り返し感じてきたのは、企業の違いは戦略や制度だけでは説明しきれないということだ。もちろん、戦略もガバナンスも重要である。だが、それだけでは捉えきれない。会社には、数字では表しにくい「健康」や「活力」のようなものがあるのではないか。そんな問いが、ずっと頭のどこかに残っていた。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　会社を理解するにも「生命」という視点が必要なのではないかと思うようになった。なぜなら、人は生命であり、会社はその生命である人が集まってできているからだ。会社もまた、生命的な視点から見直してみることができるのではないか。本連載は、企業と経営を「生命という視点」から見つめ直す試みである。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　まずは連載全体を見渡せるように、３つの気づきから話を始めたい。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">会社にも「食事・運動・睡眠」が必要だ</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　人が健康を保つために必要なものは何か。まず、身体の器官が正常に機能することが前提にある。心臓が血液を送り、脳が判断し、腸が栄養を吸収するなどである。しかし、それだけでは健康は維持できない。健康の３原則とは、「食事」「運動」「睡眠」だそうである。実は、これは会社にもそのまま当てはまる。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　まず、会社にとっての食事は、外から取り込むものをどう選ぶかという問題だ。端的に言えば、それは資本であり、人である。どのような投資家から資本を受け入れるのか。どのような人に仲間として加わってもらうのか。会社は、取り込むものによって姿を変えていく。身体が何を食べるかによってつくられるように、会社もまた、どのような資本と人を受け入れるかによって、その社風や文化が形づくられる。短期的な回収圧力の強い資本ばかりを受け入れれば、経営判断は短期化しやすい。報酬だけを動機として、すぐに多くを求める人ばかりが集まれば、組織の空気も変わっていく。会社にとっても食事は、量だけでなく、何を食べるかという質が決定的に重要なのである。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　会社にとっての運動は「事業活動そのもの」だ。市場に向き合い、顧客と接し、試行錯誤し、改善し続ける。筋肉は使わなければ衰えるように、会社もまた挑戦しなければ衰える。過去の成功体験に寄りかかり、変化に背を向けた組織は、見た目には安定しているようでも、少しずつ力を失っていく。運動には負荷がある。疲れる。だが、負荷をかけない身体が弱るように、負荷のかからない組織もまた弱る。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　食事と運動はわかりやすい。では、会社にとっての睡眠とは、何だろうか。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　休眠会社のことではない。また、時間外のことでもない。人間は睡眠中に疲労を回復し、記憶を整理し、経験を定着させる。会社も同じである。走り続けるだけでは、経験は知恵にならない。立ち止まり、振り返り、学び、修復する時間が必要である。会議をすることではない。形式的な反省会でもない。自分たちは何を学んだのか、何をやり直すべきか、誰を休ませ、何を整えるべきかを真剣に考えることだ。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　振り返りや学習の場を持つ会社は短期的には遠回りに見えても、中長期では強い。それらを持たない会社は、一時的には走れても、同じ失敗を繰り返し、やがて競争力を失っていく。睡眠を削った人間が最初は気力で動けても、やがて身体を壊すのと同じである。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　食事・運動・睡眠。これは個人の健康を支える３つの習慣であると同時に、そのまま経営の話でもある。しかし、人間と会社では大きな違いがある。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">人間と会社の大きな違い</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　人間の身体には、健康を維持するための「本能」が備わっている。空腹を感じ、眠くなり、疲れを覚える。痛みを感じれば、そこに異常があるとわかる。これらはすべて、生命が自らを守るための仕組みである。私たちは健康の仕組みを理解していなくても、基本的に身体が勝手に守ってくれる。これが人間の持つ本能だ。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　しかし、会社は違う。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　会社は空腹を感じない。眠くもならない。疲れたとも言わない。だから、放っておけば、いくらでも働き続けてしまう。いくらでも会議を増やせる。いくらでも投資を先送りできる。いくらでも短期利益を優先できる。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　それは、「会社には本能がない」からだ。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　このことは、経営を考えるうえで決定的に重要だと思う。経営とは何かと問われると、私たちはつい、「利益を上げること」であり「企業価値を高めること」と答えたくなる。もちろん、それも大切だ。しかしそれは結果であって、本質ではないのではないか。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　経営の本質は、本能を持たない会社という身体の健康状態を見極め、必要な調整を行うことにある。会社の健康は、誰かが意識的に診なければ保たれない。どこが疲れているのか。どこに歪みが出ているのか。何を休ませ、何を鍛え、何を補給しなければならないのか。会社が自分で訴えてこないからこそ、経営がそれを感じ取らなければならない。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　多くの不祥事や経営危機を見て思うのは、ほとんどの場合、その前兆があったということだ。誰かが違和感を持っていた。数字には出ていなくても、空気が変わっていた。人も辞めていった。社会との接点が弱くなっていた。だが、それを見ようとしなかった。あるいは、見えていても向き合えなかったのだ。会社に本能がないという事実を直視しなければ、こうした前兆は見落とされ続ける。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　だからこそ、経営には生命理解が必要になる。健康とは何か。病気はどう起きるのか。人はなぜ動き、なぜ疲れ、なぜ回復するのか。生命の仕組みを知らずして、生命的な組織を健康に保つことはできないのである。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">最も意識されないものが、最も根本的なものである</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　食事・運動・睡眠は、誰もが意識して取り組むものだ。何を食べるかを考え、運動の習慣をつくり、睡眠の質を気にする。だが、健康どころか、生命を維持するためにもっと不可欠なものがある。それは「呼吸」である。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　私たちは１日に２万回近く呼吸していると言われる。だが、そのほとんどを意識していない。当たり前すぎるからである。だが、呼吸が止まれば、他のすべては意味を失う。呼吸は、最も意識されないが、最も根本的な生命活動である。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　では会社にとっての呼吸とは何か。私は、それは社会との接点だと考える。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　企業は、顧客、投資家、取引先だけでなく、地域社会もしくは全世界や自然環境との関係の中で存在している。にもかかわらず、多くの企業人はこの接点をあまり意識しない。顧客がいるのは当然、取引先があるのも当然、特に、地域や社会は、存在していることが当然だと思ってしまう。呼吸のように。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　だが、社会との接点が失われたとき、企業は急速に弱る。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　人間の呼吸は、ふだんは無意識に行われている。だが、意識して深く整えることで、心身の状態は変わる。いわゆる呼吸法である。人間が意識的に自律神経に働きかけるとき、呼吸は数少ない接点になる。会社もまた同じではないか。ふだんは当たり前すぎて意識されない社会との接点も、意識して整え、深めることで、企業のあり方そのものを変えていくことができる。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　顧客の声が届かなくなる。地域との関係が薄くなる。自然や環境とのつながりをコストとしてしか見なくなる。そうした状態は、呼吸が浅くなった身体に似ている。表面的には動いていても、内側では確実に弱っていく。逆に、社会との接点を意識的に深めている会社は、変化への感度を保ち、自らを整え続けることができる。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　社会との接点を軽視した結果、一気に信頼を失っていった企業をいくつも見てきた。不祥事や不正を契機に転落していく企業は後を絶たない。会社にとっての呼吸は、規制対応でもCSRやESGでもない。生命として存在し続けるための、最も根本的な営みである。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">この連載で見ていくこと</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　ここまでの３つの話は、この連載の入口にすぎない。これから先、本連載では次のような問いを順に考えていきたい。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　<strong>まず、人は何によって動くのか。</strong></p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　情・愛・志という行動原理をたどり、人がなぜ意欲を持ち、何に心を動かされるのかを考える。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　<strong>次に、生命とは何か。</strong></p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　ATPや腸脳相関、微生物との共生といった生命科学の知見を手がかりに、人間という存在の基盤を見つめる。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　<strong>さらに、会社の病気とは何か。</strong></p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　なぜ真面目な会社が不祥事を起こすのか。なぜ組織は疲弊するのか。「未病」という視点から、会社の異変を考える。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　<strong>そして、人の投資と資本の投資。</strong></p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　企業には、人が自分自身を投資する側面と、投資家が資本を託す側面がある。この２つの投資をどう捉えるかによって、企業の存在意義の見え方は変わってくる。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　<strong>最後に、自然の摂理と企業の持続性。</strong></p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　企業に適切なサイズはあるのか。成長とは何か。持続性とは何か。自然界の論理と企業の論理を重ねながら考えてみたい。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　会社を生命体として見るということは、単に例えて遊ぶことではない。企業や経営を、より深く、より根本から理解しようとする試みである。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　次回は、人は何によって動くのか、人を動かすものの正体を探りたい。どれほど優れた仕組みや制度を整えても、人が動かなければ会社は動かない。会社が生命体であるとすれば、その生命を実際に動かしているのは人である。</p>



</div>
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    <title>新時代の経営を担う「神経系統」をいかに創り上げるのか</title>
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    <pubDate>Thu, 19 Feb 2026 01:00:27 +0000</pubDate>
    <dc:creator><![CDATA[cfoforum]]></dc:creator>
    		<category><![CDATA[CEF INSIGHTS]]></category>
		<category><![CDATA[CEF INSIGHTS No.1]]></category>
		<category><![CDATA[イントロダクション]]></category>

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    <description><![CDATA[日本CFO協会、日本CHRO協会、日本CLO協会の事務局を担っている株式会社CFO本部は、今、新しい挑戦を始めている。それが「コーポレート・エグゼクティブ・フォーラム」だ。
なぜ今、3つの協会が横断的に連携する必要があるのか。それは、企業を取り巻く環境の激変と、経営そのものの本質的な変化に起因している。]]></description>
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<div class="titleArea">
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<h1 style="line-height:1.2em;padding-top:120px;">
新時代の経営を担う「神経系統」を<br>
いかに創り上げるのか
</h1>
</div>

<div class="mrBtm20 btm_2">
<h2 class="fontMin">谷口 宏</h2>
<p class="txt11">株式会社CFO本部 代表取締役社長</p>
</div>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　日本CFO協会、日本CHRO協会、日本CLO協会の事務局を担っている株式会社CFO本部は、今、新しい挑戦を始めている。それが<strong>「コーポレート・エグゼクティブ・フォーラム」</strong>だ。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　なぜ今、３つの協会が横断的に連携する必要があるのか。それは、企業を取り巻く環境の激変と、経営そのものの本質的な変化に起因している。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">デジタル時代がもたらした専門知識の大衆化</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　AIによる生成技術の進化、デジタルコンピューティングの拡大により、かつて一部の専門家しかできなかった仕事を、誰もが簡単にできる時代が到来した。会計、税務、人事、法務といったテクニカルスキルは、もはや特定の部門だけの専門領域ではなくなった。この変化は、コーポレート部門に根本的な問い直しを迫っている。単なる「間接部門」「バックオフィス」という位置づけから脱却し、真に経営に貢献する機能へと生まれ変わる必要がある。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">コーポレート機能とは何か</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　日置圭介氏（株式会社CFO本部 取締役）は、「会社の神経系統を担当するコーポレート機能として生まれ変わるための神経系統を、自らの力で整備しないといけない」とコーポレート機能の本質を指摘する。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　財務、人事、法務といった職能部門の延長線上にコーポレート機能があるのではない。会社経営に必要な情報や資金、人といった要素を、経営陣から最前線までが共有するための統合的な神経系統、それがコーポレート機能であり、CFO、CHRO、CLO（GC）といったコアのコーポレート・エグゼクティブが率いるチームは、個別最適ではなく全体最適の視点から、企業の「最高の経営」を実現するために存在する。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">日本企業が直面する３つの課題</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　しかし現状、多くの日本企業では次のような課題が見られる。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　<strong>第１に、コーポレート機能の連携不足。</strong>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　弊社実施のサーベイでは、「経営機能として横断的に連携している」との回答は約半数にとどまり、「一部、プロジェクト等でのみ連携している」が最多という結果であった。財務と人事、経理と経営企画といった部門間の壁が、依然として存在している。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　<strong>第２に、人材の課題。</strong>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　「専門性の高い人材が不足している」「戦略マインドが不足している」という声が常に上位に挙がるが、これは単なる採用の問題ではなく、コーポレート機能全体をどう設計し、どのように人材を育成していくかという構造的な問題なのだ。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　<strong>第３に、テクノロジー活用の遅れ。</strong>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　データ活用やERPの統一、AIツールの導入など、オペレーション効率とビジネス貢献の両面で、まだまだ改善の余地がある。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">各協会が果たしてきた役割</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　振り返れば、日本CFO協会は2000年の発足以来、資本市場の変化に対応するファイナンス理論の普及、FP&A機能の強化、経営スキル検定（FASS）の開発などを通じて、財務・経理のプロフェッショナル育成に取り組んできた。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　日本CHRO協会は2018年、人的資本の重要性が高まる中で、経営戦略を人事面から支援する幹部人材の育成を進めている。そして日本CLO協会は2020年、グローバル展開やリスク管理の高度化に伴い、単なる契約管理を超えた戦略的法務の確立を目指してスタートした。しかし、それぞれが個別に活動するだけでは十分とは言えない状況だ。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">なぜ今、３協会の連携が必要なのか</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　「CFO-CHRO-CLO（GC）-CEO」というマネジメント・チームの連携こそが、企業の神経系統を機能させる鍵なのだ。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　実際、関心の高い経営テーマを見ても、「グループ経営管理の高度化」「業務プロセスの標準化・効率化」「M&A戦略」「サステナビリティへの取り組み」「後継者育成」など、どれも財務、人事、法務が連携して初めて成果を出せるものばかりである。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm20 btm_2">　「事業は強いがマネジメントがいまひとつ」という話は日本企業ではよく耳にするが、ビジネスとコーポレートのバランスが悪い企業は、ディスカウントされても仕方がない。</p>

<h3 class="txt14b color1 mrBtm10 btm_1">具体的な取り組み：共創と共学のプラットフォーム</h3>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　この課題解決に向けて、すでにいくつかの実践的な取り組みを始めている。</p>

<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1"><u><strong>リアルな場での対話：次世代コーポレート・エグゼクティブ会議</strong></u></p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　次世代コーポレート・エグゼクティブ会議では、次世代のCXOを担う部長・課長クラスの方々が一堂に会し、他社の他部門メンバーと深い対話を重ねる。小田原、京都と2回開催したこの会議では、財務・人事・法務といった部門の枠を超え、実務レベルでの横断的な知見共有が実現している。参加者からは「自社の課題が他社も抱える共通課題だと分かった」「具体的な解決のヒントを得られた」といった声が寄せられている。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1"><u><strong>継続的な学びの場：コーポレート・エグゼクティブ・フォーラム</strong></u></p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　また、コーポレート・エグゼクティブ・フォーラムとして、３協会の会員を対象とした研修会や交流会も定期的に開催している。ここでは、コーポレート領域全般にわたるテーマを扱い、各分野のエグゼクティブが相互に学び合う場を提供している。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1"><u><strong>デジタルでつながる：オンラインコミュニティの拡充</strong></u></p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　こうしたリアルな場での交流に加えて、オンラインコミュニティの充実も図っている。すでに３協会を通じて提供しているオンラインコミュニティには１万人を超える方々が参加し、研修会や勉強会で知り合った仲間同士の交流はもちろん、テーマ別のコミュニティも自然発生的に広がっている。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　これに加えて、現在、法人会員向けコミュニティの構築を進めている。個人が研修会で啓発されても、会社に戻れば日々の業務に追われ、せっかくの学びが組織に浸透しにくい。また、「どこの会社のCXOがこう言っていた」と伝えても、その場にいなかった社内の仲間には本来の意味が共有されないという悩みも聞こえてくる。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　そこで、法人会員同士が会社ぐるみで交流できるプラットフォームを構築中だ。各社が財務、人事、法務など部門ごとの現状や課題を共有する法人マイページを作成し、同じような悩みを抱える他社を検索して連絡を取り、意見交換を行う。このような企業間の直接的な対話が、私たちのプラットフォーム上で自律的に生まれる仕組みである。</p>
<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　これは単なる情報提供ではない。法人会員同士が主体的に交流し、課題を共有し、共に解決策を探る、そんな共創の場が広がることで、コーポレート機能の進化が加速すると確信している。</p>


<p class="txt14 fontMin mrBtm10 btm_1">　コーポレート・エグゼクティブ・フォーラムでは、今後このコーナーを通じて、３協会の活動報告や会員企業の実践事例、専門家による論考など、コーポレート機能全般にわたる情報を幅広く発信していく予定だ。部門の枠を超えた対話と学びの場として、多くの方々に活用いただければ幸いである。</p>


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