デジタル技術を活用したCFO部門の変革
第1回　ERPの過去・現在・近未来

山岡 正房

EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社
ディレクター

　これまでのCFO部門のシステム開発への関与は、要件定義や受入テストなど一部に留まり、システム構想策定や実際の開発の大部分は、社内のシステム部門や外部ベンダにお任せであった企業も多いだろう。しかしながら最新のデジタル技術が、単なる業務処理の自動化・効率化に留まらず、ビジネスモデル自体の変革をもたらす現在、CFO部門もその潮流と無縁ではない。

　CFO部門としてデジタル技術の動向を把握し、それをテコに自部門のあり方をどのように変革していくのか明確なロードマップを描き、構想段階から積極的に関与していく必要がある。一口にデジタル技術といってもさまざまな要素があるが、今回はERPシステムの過去・現在、そして近未来について考察する。CFO部門がERPを変革のエネーブラーとしてどのように活用すべきか、検討の一助となれば幸いである。