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2014年9月16日 

リスクマネジメント

神林比洋雄

プロティビティLLC最高経営責任者兼社長
日本CFO協会主任研究委員

成長を支える戦略リスクへ
新たなチャレンジとは

反対仮説の威力

 戦略リスクとは、①ビジネスモデルが経営戦略に適切に合致していないか、②戦略の前提条件が現実の事業環境に合わなくなり、経営戦略そのものが陳腐化するリスクである。戦略リスクは、企業外部のビジネス環境や企業内部のプロセスの大きな変化に影響を受けるため、経営者の目が十分に行き届かないと致命的なリスクとなりうる。

 戦略リスクの分析は容易ではない。戦略リスクは、オペレーションリスクのように綿密な評価ができないため、分析的というよりは定性的にならざるを得ない。望ましい戦略とはリスク・リターンのバランスを図る中で利益の最大化を追求することであるため、戦略リスクは負のリスクをカバーするプラスの見返りがあるリスクである。例えば、新市場に事業進出したり、新製品を投入したり、大がかりな研究開発に係るリスクは、これらの活動が戦略遂行と不可分であるため、見返りがあるリスクである。

 これに対し、見返りのないリスクとは、ほとんどプラスをもたらさず、ただマイナスのみを一方的にもたらすリスクである。多くの経営者は、リスクとは見返りのないものという思い込みにとらわれているのではないだろうか。戦略リスクは、現在はっきりとは見えていないことに関わるため、この思考方法では戦略リスクを評価するのは困難である。

2014年9月16日

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