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企業価値創造経営の本質[第10回]
資本構成を考える(Part 1)

手島 直樹

小樽商科大学ビジネススクール 准教授

資本コストの計算よりも資本構成の方針が重要

 これまで、資本コストについて、特にその計算方法を中心に考えてきた。もちろん資本コストを正確に計算できるに越したことはないが、本来それ以上に重要となるのは、資本コストの背景となる資本構成に関して明確な方針を持つことである。実際、2018年3月に公開された金融庁の「投資家と企業の対話ガイドライン(案)」の「2. 投資戦略・財務管理の方針」には次のような内容がある。

経営戦略や投資戦略を踏まえ、資本コストを意識した資本の構成や手元資金の活用を含めた財務管理の方針が適切に策定・運用されているか。

 これまで議論してきたように、資本コストの計算は前提により異なることが多く、投資家と数値の議論をしたところで水掛け論に陥る可能性が高い。であるならば、資本コストの背景となる資本構成の方針を明確にすることにより、投資家が資本コストを算出する手助けをしたり、彼らとその方針に関して議論したりする方がメリットは大きいはずだ。また、メリットは投資家に限らず、企業にももたらされる。というのは、方針を持つことにより、投資家とのエンゲージメントへの「知識武装」ができるからだ。実際、アクティビストの三大テーマは、資本構成、戦略、そしてガバナンスと言われているが、アクティビストに限らず、多くの投資家が資本構成に注目しはじめている。

2018年5月15日

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