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企業価値創造経営の本質[第5回]
株主資本コストとは何か

手島 直樹

小樽商科大学ビジネススクール 准教授

高まる資本コストへの関心

 「伊藤レポート」が発行されて以来、資本コストへの関心が高まっている。平成28年度生命保険協会調査によれば、31.2%の投資家が資本コストを経営目標として重視すべき指標と考えており、また、資本コストの詳細数値を算出する企業も増えている。そこで、今後数回にわたり、資本コストをテーマとして取り上げていきたい。資本コストには、株主資本コストと加重平均資本コスト(WACC)の二つがあるが、まずは株主資本コストについて議論する。なお、「伊藤レポート」において議論されている資本コストとは、株主資本コストのことである。

ROEは株主資本コストとの対比で分析する必要がある

 前回の連載においてROEについて議論したが、本来ROEは株主資本コストとの対比で分析すべきであることはあまり理解されていない。なぜ両者の関係が重要なのか。それは、株主資本コストを上回るROEを生み出して初めて、企業は株主価値を創造することになるからである。つまり、ROEが高かろうが、株主資本コストを下回れば株主価値を破壊し、一方、ROEが低かろうが、株主資本コストを上回れば株主価値を創造することになる。よって、株主資本コストの水準次第では、同水準のROEを生み出しても、企業間で株主価値への影響に差が生じることになる。こうした理由により、ROEの絶対額よりも、ROEと株主資本コストの差、つまりエクイティ・スプレッド(ES)を意識しなければならないのだ。

2017年7月18日

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