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英国によるEU離脱の決定
―企業財務担当者にとって試練の始まり

「ブルームバーグ・ブリーフ─企業の財務部門向け」
より転載

 

 英国による欧州連合(EU)離脱の決定は、企業にとって想定外の展開だったと言えるだろう。6月23日の国民投票の前、一部の企業財務担当者からは「離脱が決定されれば重大なリスクだ」と危惧する声が上がったものの、多くの取締役会はこの懸念に耳を傾けなかった。

 財務担当者は目下、激しく動揺する金融市場への対応を迫られているが、これはほんの序章に過ぎない。EU離脱という衝撃的な結果は、多くの企業の戦略に課題を突きつけることとなっている。企業戦略が抜本的に見直されれば今後の見通し、投資計画、資金調達、カウンターパーティー・リスク、資金管理、人事配置などの点で財務担当者が影響を免れることは難しいだろう。

サプライチェーンへの影響

 英国が完全にEUから離脱すれば、英国・EU間でのモノ、サービス、労働力、資本の自由移動を認める関税同盟からも外れる可能性がある。英国は今後時間をかけてEUとの貿易協定の再交渉に臨むと考えられるが、短中期的には英国やユーロ圏に事業拠点を持つ企業に多大な影響が及ぶだろう。事実、英国にとってEUは主要な貿易相手であり、2015年には英国の輸出の44%、輸入の53%を占めた。2015年の英国のEU向け輸出額は2,290億英ポンドとなっている。加えてEUは英国に対し域外60ヵ国との貿易協定へのアクセスも提供しており、現在このほか67ヵ国との協定も交渉が進められている。

 一方で、英国の対EU向け輸出の割合が2000年の60%から低下、同時に対米貿易額が増加していることは注目に値する。具体的には、米国の英国向け輸出額は2000年の420億米ドルから2015年には560億米ドルまで増加し、英国からの輸入額も同期間、430億米ドルから580億米ドルへ増加した。つまり英国は従来と比べてEUへの経済依存度を低下させつつある。

2016年8月18日

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