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2016年7月15日 

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GLOBAL MANAGEMENT グローバルマネジメント

観察を起点とする「木を考えて実を得る」経営

後藤 英夫

EYアドバイザリー株式会社
ストラテジック・オフィサー

環境変化により発生した機会を活かす能力の組織的欠如

 大手企業を育てた創業経営者たちは例外なく、市場と自社内組織内に生じた機会を活かす突出した能力を備えている。一方、創業者に雇われた従業員たちは良い意味で「兵隊」であるがゆえに新たな機会を見つけ活かす能力よりは、創業者のシナリオ通りに事業を遂行する能力を求められるケースが多くなる。さらに、世界のトップ企業はイノベーションを継続して市場のフロンティアを開拓する必要性に直面し続けるが、グローバル競争において2番手以下の企業はトップ企業の製品・ソリューションを早く賢く模倣する能力が重視される傾向が強くなりがちである。
 このようにいくつかの事情が重なった結果として、環境変化により発生した大きな機会に直面しつつも、その機会を活かす能力の組織的不足は現代の多くの大手企業各社の共通課題の一つとなっている。機会を活かす以前に、機会を見出すために必要な「アンテナ」が企業の各社員の中に育っていないのである。

演繹法経営 vs 帰納法経営

 創業経営者のワンマン経営を「兵隊」たちに組織的に実行させるツールの代表は、予実管理である。予算策定・予実管理においては、ビジネスモデル・基本戦略・予算があらかじめ与えられ、それらに実行を準拠させることになる。中世ヨーロッパのキリスト教の修道院で修道士たちが己の行動を律するために行われた管理方法が予実管理の起源であると言われている。この経営管理方法は、原理原則を起点としてそれらを実現するという因果の流れになることから、演繹法による経営サイクルであると捉えることができる(図1)。

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2016年7月15日

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