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2016年5月16日 

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資本市場活性化とガバナンス改革

 日本版スチュワードシップコードに続いて、2015年7月日本版コーポレートガバナンスコードが導入された。2014年9月以降、金融庁によって導入された「フィデューシャリー・デューティー」に並ぶ、コーポレートガバナンス改革の3本の柱が出そろった。

 コーポレートガバナンス改革は、日本の経済再成長路線への転換の柱として掲げられた。その実効性を高めるのは資本市場の力であり、資本市場の力を高めるには投資家の「投資行動の高度化」が求められる。単に儲けるためだけではなく、企業と共に考え、共に答えを出すような投資家をつくりあげていく。それが、日本版スチュワードシップコードの考え方である。一方で、日本版スチュワードシップコード、コーポレートガバナンスコードが実効性を帯びるには、資金管理は金融機能から完全に独立していなければならず、もっぱら投資家の利益のためにのみ運用されることが必要である。

 コーポレートガバナンスコードの柱の一つに、政策保有株式(持合株問題)が入っていることはご案内のとおりだが、政策持合株は大幅な削減が進んでいる。現在、日本の株式市場の最大株主は外国人であり、おそらく二番目に大きい政策保有株式の割合を凌ぐ。これに、金融機関持ち株、企業年金、投資信託が続く。フィデューシャリー・デューティーでは、金融機関といえども純粋な投資家としての責任の下に株式等を所有すると考える。投資信託、企業年金といった国内機関投資家しかりだ。資産運用の“高度化”の中で、「資産運用はもっぱら投資家の利益のためにのみなされねばならない」と考えるのが、フィデューシャリー・デューティーである。みずほフィナンシャルグループが画期的な取組基本方針を公表するなど、高度に実効性のあるものとして急速な改革が進んでいる。

 フィデューシャリー・デューティー、スチュワードシップコード、コーポレートガバナンスコードが三位一体となって資本市場の改革がなされ、市場メカニズムを経由した形でコーポレートガバナンス改革を促し、資金調達の高度化と相まって、資本市場の活性化が図られる。ひとたび資本市場が活性化がすれば、コーポレートガバナンス改革はさらに加速する。そうした好循環の実現が期待されている。

2016年5月16日

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