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2015年12月15日 

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GLOBAL MANAGEMENT グローバルマネジメント

「前門の虎、後門の狼」:
イノベーターのジレンマを乗り越える

後藤 英夫

EYアドバイザリー株式会社
ストラテジック・オフィサー

 トップ企業であればあるほど必然的に技術革新が困難になる。これは、クリステンセンが1996年に指摘して以来(注1)、各社マネジメントが乗り越えるべき共通課題と位置付けられている。クリステンセンは、トップ企業が技術革新に失敗する理由を技術能力の問題ではなく、企業内での資源配分の問題として捉え、事業部長が既存顧客の声を重視せざるをえない一方、技術革新の結果の享受者である潜在顧客を重視できないことが失敗の理由だということをディスクドライブ業界の事例研究から見出した。この現象は、翌年クリステンセンの著書“The Innovator’s Dilemma”発売後、イノベーターのジレンマ(注2)と呼ばれることになる。

なぜイノベーターのジレンマが生じるのか?

 一般に技術市場には、ハイエンド市場とローエンド市場が存在する。時系列では、まずハイエンド市場が出現し、技術進歩がハイエンド市場の顧客の期待値を満たす過程で市場の拡大が起こり、ハイエンド市場でシェアを持つ企業は高収益を実現する。一方、ハイエンド市場の拡大とともに、必要最小限の機能を低価格で望む巨大なローエンド市場の潜在ニーズが生じてくる。その市場に、ハイエンド技術のエッセンスを低コスト・ハイスピードで模倣した新興国企業などが参入してきて、まずローエンド市場を席巻し、次にさらなるハイエンド技術の模倣により、ハイエンド市場をも喰い尽くす(図1)。

2015年12月15日

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