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PENSIONS MANAGEMENT

ペンション・マネジメント

年金運用における
新興国株式市場へのアプローチ

土橋 健二

株式会社IICパートナーズ
シニア・アドバイザー

グローバル資金フローの変化とそのインパクト

 グローバルな資金フローが世界経済の基本的方向性を大きく左右する度合いが高まっている。2008年のリーマンショック後の米国連銀によるQE(量的金融緩和)の導入は、米国・世界経済のデフレスパイラル回避を主眼にしたものだが、これによる流動性供給がもたらした新興経済国(15大途上国)への資本流入は、2009年7月から2014年6月までの5年弱で2.2兆ドルという膨大な額に達した。

 このグローバルな資金フローは、米国経済の回復に伴うQEの段階的な巻戻しステップ入り(2013年12月以降)の過程で、新興経済国から先進経済国に向かって逆流、2014年7月から2015年3月までの9カ月間で6,000億ドルを超える資本流出をみるに至った(ちなみに2008年7月~2009年3月の金融危機時の9カ月間の流出は5450億ドル、FT&NNIP調査)。

 こうした資金フローの変化の背後には、米国経済の正常化への歩みを反映する米ドル価値の上昇、原油価格・商品市況の下落に伴う新興国経済の急減速に対する懸念、地政学リスクの高まりなどが働いている。また、いわゆるキャリートレードの下でドル建て債務を膨張させた新興国政府・企業への財務的懸念の高まりも要因として挙げられよう。

長引く新興国経済の調整プロセス

 グローバル資金フローの流出加速化は、現実に新興国景気に対し強い下押し圧力を及ぼしており、商品市況の下落、輸出不振、通貨の下落、インフレ高進、金利上昇、消費の停滞など多くの側面で問題を深刻化させている。さらに、こうした循環的な要因の悪化とは別に、新興国特有の累積債務の膨脹、貧富の格差拡大、政治的腐敗、宗教的対立など、景気好調時には見過ごされてきた構造的要因への真摯な取り組みが必須の状況になっている。

2015年7月15日

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